続く誹謗中傷や嫌がらせ。高知小2水難事故「いじめ第三者委員会」再設置は真相解明への希望となるか?

 

真実の追求を妨害する何らかのどす黒い勢力

一方、優空君がいじめの被害に遭っていたことから、2019年に第三者委員会の設置が決まったものの、選任された委員が市の関係者が含まれるなどして、ご遺族側が再構成等を求めると、南国市側がこれを拒絶し、2019第三者委員会の任期2年間を放置し、その後、再設置への動きを緩やかに始めた。

この間、ご遺族は多くの支援者を得て、高知県警などに対し、再捜査を願う署名活動を2回行った。初回はおよそ7万6,000筆、第2回は14万5,000筆もが集まり、これらは提出されている。およそ22万筆の署名が集まるというのは、ものすごい量である事は誰もがわかるだろう。

私はこの際の記者会見を含め、提出などでも協力したが、記者クラブに出したプレスリリースが予定2日間のところ数時間で取り上げられたり、怪文書が届く他、旧知の記者から本社にクレームが入って行けないなどの連絡を多くもらった。

ご遺族が本当に何があったのかを知りたいという思いと、事件報道をみて納得できるはずもないと思う国民、ご遺族の思いを受けて賛同した多くの人々の声は、何らかのどす黒い勢力の妨害により、提出と受理こそできても、その後は事実は何もしない形だけの捜査継続となったようだ。

事件解説などを行う著名な方々もこの件に触れると即座に「やめろ」という通知がくるそうだ。実際私には、多くの嫌がらせがあり、記事を出しているまぐまぐ編集部にも不詳の電話があったと聞く。かけ直すと「知らん、私ではない」と答えたようだ。

ご遺族にはもっと多くの嫌がらせがあった。支援者として近づきデータを盗み出そうとするスパイがいたり、直接の誹謗中傷も目を覆うほどあった。ご遺族宅にある防犯カメラには、家の玄関を撮影したり、中を覗き込もうとする男の姿があったり、不安のみならず、精神的な暴力を常に受け続けるような苦しい日々が続いていた。

そうして、やっとこの2025年に入り、いじめ問題の第三者委員会が再設置されスタートすることが決まった。

2025年に入り、高知新聞が真っ先に「再開」と報じ、2019年発足から3回目のような印象を与えたが、これは誤報であり、「再設置」であると19日取材をした報道機関は報じた。

第三者委員会の委員長は「出来得る限りの調査をして、事実をしっかり解明したい」と報道陣に述べたと同時に「中断と、新たな設置までかかった時間が長期過ることから、これも調査対象になる」と述べたと報じられている。

ご遺族である岡林優空君の父、岡林宏樹さんは、「確かに誹謗中傷や嫌がらせはあったが、SNSを通じて全国の方から温かい言葉をもらった。本当に心が折れそうなときも、多くの方からの声や言葉が支えとなった」と私に話してくれた。「ありがとうございます」と伝えたいとのことであった。

確かに、やっとスタートラインに立ったというところではあるが、多くの被害者を見ていて、このスタートラインに立たせてもらえない人もいるし、ここまで時間が掛かったのは私もはじめてのことであるが、それだけ重い事案である。

多くの方に、引き続き、ご遺族への支援、風化防止のためにできることをやって頂ければと思う。

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