PBR0.41倍。一等地の優良不動産を手に入れるのは誰か?
フジテレビを傘下に持つフジ・メディア・ホールディングスは、テレビメディアに関心をもつ投資主体に買収され、経営権を譲渡することになるでしょう(筆者の認識ではほぼ確定的)。
急落していたフジ・メディアHDの株価が、港社長の不首尾な会見があった1月17日から上がったのは買収期待によるものです。過去にフジテレビ買収を試みたホリエモンの名前も浮上するなど注目を集めています。
フジ・メディアHDの時価総額は3959億円、株価/純資産倍率(PBR)は0.41倍と低く(1月17日終値時点)、株価の約2.5倍の純資産(その多くは不動産)を持っているため、「フジテレビは安い買い物」です。同社が一等地に所有する不動産を時価の約1/2の価格で買うことと同じになります。
フジにかぎらず、テレビメディアのPBRは軒並み低い。TBSはフジ並みの0.51倍。テレビ朝日が0.44倍、日本テレビが0.41倍、テレビ東京でやっと0.91倍です。いずれも解散価値を下回っています。視聴数が減り、テレビ広告費が減少傾向にある中、どのテレビ局も放送事業は低迷が続いています。
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「新聞・テレビ時代」の終焉
新聞やテレビは長年、「社会正義」の味方のように装って「大きな顔」をしてきました。「自分は国民をバックにしている」という自負がある新聞記者やテレビ報道記者の、尊大な態度にそれが現れています。
「メディア権力」をもつ編成部、編集部やプロデューサーは「番組に出させてやる」という姿勢なのです。全盛期ほどの勢いはなく衰えつつあると言っても、彼らの番組や記事は国民に対してまだ「ブランド価値」を持っているからです。
「〇〇テレビです」「〇〇新聞です」と自己紹介すれば、たぶん70%の人は信用し、突然の取材にも応じるのが現状でしょう。当方は組織ではなく個人として人を見ることを習慣にしているからか、記者たちがかぶっている衣装の裏側、組織の権威や権力を利用する体質がよく見えます。
東京の有名大学の文系学生の間では、いまだに「報酬が高くブランド価値があるマスメディア」への就職人気が高い。しかし2024年、25年、26年は、20世紀以降の近代社会が行き詰まり、「時代適合」できない組織が崩壊していく時期です。政治、政党、メディア、金融、企業を巻き込んで、大きな転換点となるでしょう――(『ビジネス知識源プレミアム』2025年1月22日号より一部抜粋、再構成。続きはメルマガをご購読ください。初月無料です)
吉田繁治さんが発行する『ビジネス知識源プレミアム』は、今から24年前(!)、2001年に創刊された超老舗メルマガ。有料メルマガの草分けとして、長年にわたり多くの読者から絶大な支持を集めて今日に至ります。
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<Vol.1504:自爆するメディアと転換する世界の政治> 2025年1月22日:有料版 【目次】 ■ 1.アルゼンチンのミレイ大統領の改革(日本では報道がありません) ■ 2.社会主義銀行は、最後に国家を破壊する ■ 3.トランプ政策の骨子 ■ 4.輸入関税の2倍、3倍への上げ ■ 5.シェールオイルの増産 ■ 6.2025年の消費者物価(CPI)の上昇の要素になる ■ 7.国債の価格と金利の原理 ■ 8.トランプが肯定した暗号通貨ラリー ■ 9.ICO型暗号通貨の価値の根拠 ■ 10.移民の強制送還 ■ 11.2025年の物価と金利 ■ 12.米国の金利に追従する日本の金利 ■ 13.米国債36兆ドルの償還が10兆ドル:利払いが1兆ドル ■ 14.2025年、26年の米国政府資金繰りへの推計 【後記:大統領令】
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