誰でも簡単に、嘘をついて相手をだませる時代になった 闇バイターの広がりの懸念
ネットを通じて業者に依頼すれば、偽の身分証や会社員証などを作成してもらえる。部屋などを借りる際にそれを提示して、管理会社からの在籍確認などの問い合わせがあれば、その電話に応じてくれるという「アリバイ会社」の存在が、詐欺の温床になりかねないとして問題になっています。
今年1月に、女性が入居する時に実在する企業の保険証を偽造したとして、警視庁は詐欺などの疑いで、アリバイ会社の男らを逮捕しています。アジトからは、偽の社員証や保険証などが100枚以上押収されているといいます。いかに多くの人が、ネットを通じてアリバイ会社に仕事の依頼をしているかがわかります。こうした会社は一つではありませんので、アリバイの依頼をしている人の数はかなり多いと思われます。
もっとも懸念されるのが、詐欺への悪用です。
もし身分証などが偽造されて、どんな人でも嘘をついて入居できるとなれば、詐欺の電話をかける拠点になったり、だまし取った商品や現金を受け取る際の拠点が簡単に作られてしまうことになります。
何より、ネットで「報酬を出す」という募集をすれば、それに応じるような闇バイターたちが増えることにもなりかねません。
それに偽った身分証や架空の源泉徴収票を提示してお金を借りたり、携帯電話の契約も簡単にできてしまいます。
報道では、子供を良い保育園にいかせるために、選考で有利になるように、このアリバイ会社からの勤務に関する証明書を出してもらった人もいるということですが、アリバイ会社が摘発されて、利用者の嘘が発覚した場合には取り返しのつかないことになります。絶対に、安易な利用はしないようにして下さい。
この記事の著者・多田文明さんのメルマガ
image by: Shutterstock.com