日本の電車文化は「静寂」と「秩序」に基づいている。大変マナーも良い。スマホが普及してからは会話自体が減り、閑散としているかと言えば、人はいる。皆、平べったいスマホにかじりついている。
通勤や通学で疲れた人々が一日の始まりや終わりを穏やかに過ごす場所であり、携帯電話での通話は禁止され、会話も最小限に抑えられるのが暗黙のルール。
しかし、外国人観光客の中には、この文化を知らず、あるいは無視して、電車内にて大声で話しながら動画を撮影したり、ライブ配信を行ったりする人が増えているという。
例えば、2024年4月のレポートでは、東京の電車内で外国人が手すりにぶら下がりながらライブ配信を行い、乗客が困惑する様子が話題となった。
また、観光地へ向かう路線では、カメラを構えて車内を撮影する姿も日常的になりつつあるというのだからたまったもんじゃない。
この行為が迷惑とされる理由は明白だ。まず、静けさが失われること。次に、プライバシーの侵害。知らない間に撮影され、ネット上に公開される可能性は、日本人にとって大きな不安材料である。
さらに、混雑時にカメラや三脚でスペースを占有されることもあるというのだから、ストレスは増大の一途だろう。
2024年12月の日本民営鉄道協会の調査では、62.9%の乗客が外国人観光客のマナー違反に悩まされた経験があり、その中でも「大声での会話」や「撮影行為」が上位に挙がっている。
このような状況は、日本人の我慢の限界を超えつつあると言える。
具体的な解決策として、何とかやめてもらう方法はあるのだろうか?
この問題を解決するには、外国人観光客に日本のルールを理解させ、行動を変えてもらう必要が先決だ。
多言語での啓発キャンペーン
電車内や駅構内に、英語、中国語、韓国語など主要言語で「撮影・配信禁止」の案内を掲示してほしい。現在は日本語と英語のみの案内が多いが、訪日客の多様性を考慮し、より多くの言語で明確にルールを伝えるべき。
例えば、「電車内は静かに。撮影や配信はご遠慮ください」というシンプルなメッセージを、視覚的なピクトグラムとともに表示してみる。
2025年1月に観光庁が導入した22種類のピクトグラムは良いスタートだったが、電車内での撮影禁止を強調したデザインを追加することがたりていないーーー(『施術家・吉田正幸の「ストレス・スルー術」』2025年3月29日号より一部抜粋)
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image by: Henry Saint John / Shutterstock.com









