テスラだけじゃなかった。中国・上海で新車が急激に売れなくなったのはナゼなのか?

2025.04.04
Galati,,Romania,-,December,26,,2024:,Tesla,Logo,On,A
 

前回の記事でテスラ車が売れなくなったとの報道に、テスラだけではなく「中国自動車業界全体の問題」だという見方を示した、日刊で中国の自動車業界情報を配信するメルマガ『CHINA CASE』。今回は、それに加えて上海での新車市場が急速に縮小しているという事態が明らかになったことを紹介しています。

上海の新車販売が-18%、テスラ車は-41%、一体何が起きているのか?

上海市でテスラ車が売れなくなった-こうした記事が発表された。

テスラの中国拠点は工場がある上海、そこで売れなくなったのは確かに異常事態で「へぇー」と思ったが-

よくよく調べてみると、確かにテスラ車が売れなくなっているのだが、上海の新車市場自体が急激に縮小していることが明らかになった。

中国現地でもこの上海新車市場縮小はあまり話題になっていないが、各都市の状況を調べると異常事態だ。一体何が起きているのか。

テスラ販売都市別で3位に

上海市におけるテスラ車の新車販売は2024年、実に前年比41%減の4.3万台(新車購入時の保険情報、いわゆる末端データによる。以下同)にとどまった。

一貫して上海市はテスラ車が最も売れる中国都市の座にあり続けたが、この急減で2024年はその座を浙江省杭州市、江蘇省蘇州市に奪われ、3位に沈んだ。

どちらにしろ、上海の隣接都市であり、いわゆる長江デルタエリアでテスラ車がよく売れている、という状況自体は変わらない。

上海だけが急減しており、テスラ車販売上位都市は軒並み、前年比プラス成長を遂げている。

つまり、いわゆるテスラ離れではない。上海だけが異常となっている。

極めて異例のマイナス成長

中国全体の新車(乗用車限定)販売は2024年、前年比8%増の2360万台に達した。

これに対して、上海市だけに限ってみると、実に同18%減の62万台となっている。

中国350都市以上の中でこの下げ幅はトップ10入り、上海よりも上位なのは、年間販売数百台程度の超小規模都市ばかりで、成長率の変動が大きいことを考慮すれば、やはり上海市が異常だ。

マイナス成長になったのは61都市で、その中には一般的な日本人がぱっと聞いて理解できる都市は少ない。

年間販売10万台を超える都市でマイナス成長になったものとしては例えば、福州市(-8%)、南通市(-7%)、ウルムチ市(-4%)などがあるが、それらと比べても上海市のマイナス率の大きさが際立つ。

マイナス成長の要因

この理由はいくつか考えられるが、まず前提として、不景気が挙げられる。

中国全体では引き続きプラス成長が続いているものの、マイナスに落ち込む都市も5分の1を占めている。

少子高齢化が深刻で、慢性的な渋滞、駐車場難及び高額も上海の新車販売に影響を与えているかもしれない。

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