トランプ関税で世界が大混乱。「GDPの3割が米国への輸出関連」という国がそれでも中国とは組まぬワケ

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トランプ関税が世界中の株価に影響を与え、もはや「世界同時株安」の様相を呈しています。この状況を世界はどう伝えているのでしょうか? メルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』の著者・大澤裕さんは今回、香港大手紙の報道からベトナムの状況がどう報じられているかを紹介しています。

トランプ関税の衝撃

トランプ大統領が多くの国に高関税をかけると発表。世界中が大騒ぎになっています。

この件に関しては私もマスコミ報道と同じ見解です。

関税政策の乱用は、世界経済を大混乱に陥れるのみならず、米国経済にも悪影響を及ぼすでしょう。

海外の反応についてお知らせしましょう。

香港サウスチャイナモーニングポスト紙に掲載されたベトナムの状況です。

記事抜粋

ベトナムにとって米国は最大の輸出市場であり、その規模は1420億ドル。

国内総生産の30%近くに上る。

そのベトナムは46%の関税に直面しており、最も大きな打撃を受けた国のひとつとなっている。

解説

ベトナムにとってトランプ関税はまさに衝撃でしょう。

もちろんベトナムが準備をしていなかったわけではありません。

すでにこのトランプ発表に先んじて、ベトナム政府は液化天然ガス、自動車、農産物などの関税引き下げやスター・リンクの承認など、米国との貿易黒字を削減する措置を講じているのです。

また、今、貿易交渉のために代表団を米国に派遣しています。

この衝撃で、ベトナムが政治的・外交的に中国に接近する事はあるのでしょうか?

記事

トランプ大統領が提案したベトナム製品への関税は、同国の経済に大きな打撃を与えると予想されている。

習近平国家主席のハノイ訪問を前に、中国に有利な展開となる可能性がある。

中国社会科学院の研究者、張氏は、トランプ大統領の関税は「中国にとって戦略的な窓を開いた」と述べた。

「ベトナムやその他の米国の同盟国およびパートナー国は、米国の信頼性に疑問を投げかけるトランプ大統領の貿易戦争に無力感を感じているのは事実だ」

「しかし、関税が課せられても、ベトナムのような国は、安全保障に関しては中国に懐疑的であり、米国の方が信頼できると考えているため、引き続き両方に賭け続けるだろう」

解説

ベトナムのような国にとって、トランプ関税は経済を揺るがす大問題です。

しかし、外交的な枠組みが変わるほどではないというのです。

日本も大変ですが対米輸出はユニークな高付加価値製品がメインです。安い価格に頼った対米輸出をしている国の方が関税の影響は深刻でしょう。

トランプ大統領の一言一句に振り回されすぎずに、軸をしっかりもった対応が必要と考えます。

社会の分断化を推し進める「バランスを欠いた報道」を見極めるために

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・株式会社ピンポイント・マーケティング・ジャパン 代表取締役社長  ・情報経営イノーベーション専門職大学 客員教授 ・法政大学大学院イノーベーションマネジメント研究科 兼任講師 慶應義塾大学を卒業後、米国バンカーストラスト銀行にて日本企業の海外進出支援業務に従事。カーネギー・メロン大学でMBAを取得後、家業の建築資材会社の販売網を構築するべくアメリカに子会社を設立。2000年、ピンポイント・マーケティング・ジャパンを設立。海外のエージェントとディストリビューターを使った販路網構築・動機づけの専門家として活動を行っている。2015年「中小企業が『海外で製品を売りたい』と思ったら最初に読む本」を、2017年「海外出張/カタログ・ウェブサイト/展示会で 売れる英語」をダイヤモンド社から上梓。

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