みのもんたさんは「特別会計」の何に怒っていたか?
「特別会計」もまた、形式的には国会の「予算委員会」で審議されるのですが、実際の審議時間は「一般会計」に比べて極めて短く限定的です。「特別会計」に特化した議論はほとんど皆無で、審議時間の99%は「一般会計」が中心となっています。
「一般会計」のほうがメディアでも注目される派手な「花形」だからです。まれに「特別会計」が審議される場合でも、「一般会計」予算と「一括」して審議されることが多く、特別会計単独での詳細な審議は行われていないのが現状です。
そもそも、日本の「予算委員会」では、一般会計予算についてさえ、充分な議論がなされているようには見えません。
森友学園とか、桜を見る会とか、いわゆる政争の具となる週刊誌ネタを無理矢理予算に結びつけては取り上げ、野党議員が政府を相手に大見栄を切って見せる猿芝居の場に、国会が堕しているのです。
「予算委員会」の名が聞いて呆れます。こうした狎(な)れ合いの“プロレス”に使う時間の何分の一かでも「特別会計」に関する真面目な議論に使っていれば、この国の官僚機構はもう少し風通しのよい清廉なものに変わっていたはずです。
しかし、現実はその逆です。
あの動画で、みのさんたちが憤(いきどお)っていたのは、政治家たちの腐敗が官僚機構の「独善独裁」を許し、特別会計の闇を深めることに寄与しているからなのです。
この30年、G7などの諸外国に比べ、日本の国民の給与が一向に伸びず、横這いのままなのも、財務省をはじめとする官僚組織の独善独裁が続いた結果です。
そして、みのさんたちは、日本のマスコミが「世の木鐸(よのぼくたく:社会に警鐘をならし、ビジョンを示すもの)」としての役割を果たすことなく、国民に「大切なこと」を伝えることができなくなっている現状にも憤っていたのです。(次ページに続く)









