みのもんたさんの「遺言」が日本の若者に与える影響とは?
あれから10年近い月日が流れ、みのさんも天国へと旅立ちました。
奇(く)しくも、経済学者の森永卓郎さんによる「遺言」のような書籍『ザイム真理教』がベストセラーとなり、官僚機構の頭目である財務省の前には、連日、千人を越えるデモ隊が押し掛け、「財務省解体」を叫んでいます。
とはいえ、私の知人の財務官僚は立派な善人ばかりですし、彼らが悪いとは思いません。
しかし、あまりにも強大な権力が財務省のようなひとつの官僚機構に集中してしまえば、結果的に独裁状況が生まれます。これは官僚個人の良心の問題ではなく、巨大な「官僚システム」そのものが孕(はら)んでいる欠陥なのです。
一例を挙げれば、歳入も歳出もひとつの官庁が担当するといった権力集中的な構造は、必ず独善的な「悪」を生み出します。デモ隊が「財務省解体!」と叫ぶと少々過激に聞こえますが、過度な機能の集中を分割し、権限を分散するという意味なら、確かに「解体」の必要はあるのです。
【関連】#財務省解体デモ ひろゆき氏の誤解がヤバい理由。日本を不法占拠する財務省、潰せば「社会がよくなる」は天下国家の理だ(作家・元国税調査官 大村大次郎)
そうすれば、「増税」を成功させた官僚でなければ出世できないといった財務省の歪んだ体質も変わるでしょう。
もちろん、各省庁に丸投げの「特別会計」についても、AI技術を駆使して透明性を高め、国会における議論を通して無駄を省き、効率化と節約に務める必要があります。まずは、もっと調査に関わる専門家を増やし、国会において権限を強化するべきです。
今、テレビよりもネットをよく見る40代以下の若い世代にとって、「特別会計の闇」を論じることは、もはやタブーではなくなりました。少なくとも彼らには、この国の権力の在り処(ありか)が見えています。だから、財務省にデモをかけているのです。
さらにその智慧(ちえ)で、自分たちが搾取されている仕組みについても、おいおい明らかにしていくことでしょう。
みのさんの「遺言」は、現体制を支えている内部の人間であっても、様々な「矛盾」に気付いており、機会さえあれば「何とかしたい」と願っているという事実を示しています。
そして、お役人様たちが思っているほど、民衆は愚かではありません。人々の声に素直に耳を傾ければ、我らが日本の未来も決して暗くはないのです。
【関連】立憲・野田代表と枝野氏を論破する究極の質問。「なぜ消費税減税のとき“だけ”財源が問題になるんですか?」(作家・元国税調査官 大村大次郎)
(メルマガ『富田隆のお気楽心理学』4月18日配信号「遺言?」より抜粋。この号の他の記事(「自然?」「人畜無害?」)もお読みになりたい方はご登録ください。初月無料です)
【関連】2025年7月5日に起こる大事象は「予言の自己成就」か「予言の自殺」か?人間の思考が未来を書き換える不思議なメカニズム
image by: みのもんた(@_mino_monta)公式X









