みのもんたさんが「権力を裏切った」理由を推察すると
新聞にせよテレビにせよ、志を失ったマスコミというのはしょせん、権力の手先です。新聞などが掲げるイデオロギーの看板はあてになりません。
たとえ、朝日や毎日のように社会主義的な左翼のポーズを取っていても、読売や産経のように自由主義的な保守のポーズを取っていても、それは、あくまでも固定読者に向けての表面的なサービスであり、“ラーメンのどんぶり”のようなものに過ぎません。
中味は似たり寄ったりで、大切な根本の部分では、この国の権力と足並みを揃えているのが実情です。
残念ながら、マスコミの現実の姿は権力の一部であり、プロパガンダ(propaganda:宣伝)機関そのものです。
ですから、戦時中は大本営が発表する日本軍勝利の報道を一斉に垂れ流し、先年の新型コロナのパンデミックに際しては、mRNAワクチンの有効性と安全性をこれまた異口同音に喧伝(けんでん:世間に言いふらすこと)していたのです。
時代が変わっても、マスコミがプロパガンダ機関であることに変わりはありません。変わるのは、彼らがタッグを組んでいる相手、時の権力中枢です。
ですから、「ほぼ官僚による独裁状態」が続く近年の日本において、「特別会計の闇」といった話題はタブーにされてきたのです。「特別会計」は、官僚たちが自在に権力を振るうために必要なエネルギー源だからです。
長年、マスコミの中で仕事をしてきたみのさんは、それが危険なタブーであることを充分知っていました。
しかし一方で、水道メーターで有名な株式会社「ニッコク」の経営者でもあったみのさんは、社会の現実を見る目も鋭く、政治や官僚機構の仕組みも理解していました。
世の中を動かすお金の流れについても、よく分かっていたはずです。
ですから、戦時中に威勢の良い「大本営発表」を読み上げていたアナウンサーが、心の中では「本当は、負け戦(いくさ)だ」とつぶやいていたように、みのさんもまた、この国の支配構造とお金の流れについて真実を語りたかったのではないでしょうか。
ただ、マスコミの中心でお仕事を続ける以上、普段はそんなことはおくびにも出せません。(次ページに続く)









