演技力には定評があった広末。なぜ映画撮影でトラブルに?
もうひとつ、記事では、事故当日に撮影していたという映画でのトラブルも報じられています。カットが入るごとに撮影は中断され、口論を繰り返す広末に、「やってられるか!」と監督が降板宣言をした…とも。
これはあくまで私の感想ですが、演技力には定評があり、数々の映画賞を獲得してきた広末が、名前を聞いただけでは代表作品がすぐに思い浮かばないような監督と、トラブルを起こさないわけがないと思うのです。
私はかつて、『奥様は取り扱い注意』や『ミックス。』の現場で広末を見てきましたが、彼女の役作りは驚くほどに繊細で丁寧です。広末ぐらいの女優には、演出家にもそれ相応のキャリアと対応力が求められると思います。
紆余曲折に芸能界を渡り歩いてきた女優と演技論を戦わせ、けんかするぐらい試行錯誤を繰り返し、お互いが納得した上で作品を作っていくには、『青春の蹉跌』という名画を撮った、日本映画界に名を残す神代辰巳監督の助監督を務めた――くらいでは難しかったのではないでしょうか。
光石冨士朗監督は、長い間映画界に身を置き、映画製作に強い意思と情熱を持った方のようです。今回の広末との仕事は、広末の体調の勝手でスケジュールが変更されたり、助監督も離脱するなど、光石監督にとってはかなりの重責があったという話も聞こえてきます。
監督と広末の歩いてきた軌跡が違うだけに、お互いに相容れないところの方が多く、わだかまりが解けないままになってしまったような気がします。
映画『おんおくり』は製作中止が発表され、この映画が地方活性化に繋がると全面協力していた奈良市とその関係者のショックは大きいと言います。
たとえ不起訴でも活動再開へのハードルは高い
さて、気になる広末の今後ですが、看護師にはケガを負わせ、追突した車に同乗していた男性を骨折させ、最悪の場合は傷害罪と過失運転致傷罪に問われることもあるといいます。
しかし看護師も同乗者も処罰感情は強くなく、“寛大な処分”を望んでいるとなれば、その点を検察が十分考慮し、不起訴で終わる可能性もあるでしょう。
いずれにしても、広末涼子という女優・アーティストが、テレビの現場やスクリーンに戻るには、あまりにも大きな過ちをおかしてしまったことに間違いはないと言えるでしょう。
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プロフィール:芋澤貞雄
1956年、北海道生まれ。米国でテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌などで30年以上、芸能を中心に取材。代表的スクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在も幅広く取材を続ける。https://twitter.com/ImozawaSadao
image by:Dick Thomas Johnson from Tokyo, Japan, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons









