多くの学校で生じている雨漏りや設備機器・配管の破損
恥ずかしながら私自身、その深刻さを知ったのは数日前でした。高校の同窓会に参加した際に、募金のお願いがありまして。雨漏りがしていると聞き、衝撃を受けました。
4年前に「創立80周年記念式典」で講演をした際には、久しぶりに訪問した母校のプールがなくなっていることや、旧体育館がなくなり、おしゃれな3階建てのビルになっていて、ずいぶん変わったと思っていたのですが。
なんとなんとの雨漏りです。しかも、トイレなどは私たちが使っていた時のままなので、老朽化が著しく、衛生的にも、バリアフリーの観点からも問題があるとのこと。
文科省の調べでも、構造体の耐震化が多くの学校施設で図られきた一方で、機能面では改善がほとんど進んでおらず、多くの学校で雨漏りや設備機器・配管の破損など多くの課題が生じていました。
雨漏りで、学校での活動に支障を来した事例や施設設備、備品等の財産を損傷するおそれがあった事例は年間3万件を超えるそうです。
私が調べた範囲ではありますが、母校以外の県立高校でも卒業生に募金を呼びかけるケースが多く確認できました。ふるさと納税の制度を使っているとのことですが、募金に頼るだけいいのか。
国立大学もカネがない、公立高校もカネがない、義務教育の場である公立小中学校もカネがない。
これが先進国の姿なのでしょうか?
子は宝、と誰もがいうのに、子が危険と背中合わせの状況を余儀なくされている。日本の学びの場が危機に瀕していることを、もっと多くの人に知っていただきたいです。
みなさんのご意見、お聞かせください。
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