借りたら損するが、貸したら得するという構造
資本主義では、とにかくカネを借りたら大損する仕組みになっているのだ。逆に、カネを貸したら儲かるようになっている。
もちろん、貸す相手をよく見極めなければならないが、そこさえきちんと押さえていたら資本主義の仕組みで生きていける。
株式市場で資金を出して配当をもらうというのは、つまり企業にカネを貸して金利を取るということなのだ。まじめに働いてせっせと稼いで配当をたくさん払ってくれる企業の株を持てば、将来永劫に渡ってカネが入ってくるようになる。
この「金利」こそが、資本主義の「魔術」である。
株式市場で資金を企業に提供すると、その対価として配当という形で金利が還元される。この配当を同じ企業に提供すると、タダでもらった配当分も加算されて、また配当が増える。その増えた配当を再投資すると、また配当が増えていく。
この「魔術」によって、投じた資金を雪だるまのように増殖させることができるようになる。
もちろん「企業が利益を上げ続ける」という但し書きが必要だが、企業がおかしくならない限り、株主は永劫にわたって配当という金利を享受できる。この永続性こそが金利の真骨頂であり、魔術である由縁だ。
金利(配当)を受け取ることで自分の資金を増殖させていく。この魔術の素晴らしさは、自分は稼ぐために働く必要がないことだ。
利益を生む企業の出す配当は、そこでまじめに働く従業員の努力と経営者の戦略が結実した結果であって、自分が何かするわけではない。自分は、彼らの価値創造の果実を受け取るだけだ。
これが資本主義の妙味でもある。「借りたら損するが、貸したら得する」という構造になっている。それを考えると、カネを借りる側になるのか、貸す側になるのかで資本主義で運命が変わってくることがわかるはずだ。(次ページに続く)









