プレイヤーとしては大変優秀だった人を昇進させたら、部下のマネジメントがまったくできず困っています──。世界的なコンサルティング会社マッキンゼーで14年間もの勤務経験を持つ、ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクターの赤羽雄二さんのメルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』に、そんな相談が送られてきました。赤羽さんは、優秀なプレイヤーが突然つまずく理由と再び輝くための視点、そして支援方法を伝授しています。
プレイヤーとしては大変優秀だった人を昇進させたら、部下マネジメントが全くできません。
Question

商社ですが、プレイヤーとして大変優秀だった人を昇進させたら、そこから調子が悪くなってしまいました。部下6名の部署を任せたのですが、部下マネジメントが全くできません。驚くほどです。部下に指示ができず、全部自分で抱えているので、仕事はパンクしますし、部下は手持ち無沙汰で不満も溜まっています。プレイヤーとしては大活躍していたのに、それも微妙になってきました。この会社ではいったん昇進させた人を降格することはほとんど実例がなく、むずかしいです。本人もプライドがあり、耐えられないと思います。どうしたらいいでしょうか。
赤羽さんからの回答
ご相談どうもありがとうございます。よくあるケースです。
その方は、会社の数値目標があってその達成のために自分で決めたことを徹底的して成果を挙げることは得意だと思います。ただ、部下マネジメントのように明確な数値目標がなく、また白黒つかない、相手の素質とやる気に大きく左右されるようなタスクはどこからどう攻めたらいいのか想像がつかないかもしれません。
自分自身、新人の頃から数値目標達成に一目散だったはずで、上司から育てられた部分があったとしても、どうその数値目標を達成するか、という狭い範囲のアドバイスだったと思います。
もしその方が部下マネジメントを改善したいと本気で思うなら、ぜひしっかりとコーチングしてあげてください。
理解してもらうべきことは
- 部下マネジメント、部下育成は会社の中では最重要タスクの一つ
- 部下には自部門のビジョン提示・合意 → 達成方針提示・合意 → アクション提示・合意 → タスク提示・合意 → 週次のKPI進捗確認会議での問題把握・解決 → 普段からのアクティブリスニングをすることで成果を最大化する
- 部下育成は、このプロセスをへて見えてきている本人の長所を伸ばし、もったいない部分を成長課題として改善に取り組ませること
- 部下は人なので、本人の素質とやる気に大きく左右される
- 自分は育成もマネジメントもしてもらったことがないと思いたいかもしれないが、それで結果を出せたごく一部の優秀な人材だった
こういう理解ができれば、部下マネジメントも遅かれ早かれできるようになっていきます。
それまでの間、その方の意識・行動改革を暖かく見積もりつつ、助言を次々にしてあげてください。
この記事の著者・赤羽雄二さんのメルマガ
image by: Shutterstock.com









