3.世界の評価と日本の不人気
3-1.世界での高評価:日本政府の代表としての信頼
国際的なネット世論や海外メディアでは、石破首相は「日本政府の代表」として高く評価されている。この背景には、以下の要因がある。
3-1-1.日本の国家ブランドの恩恵
日本は、経済力、技術力、文化、観光地としての魅力等で、国際的に高いブランド力を持つ。石破氏は、この日本のイメージを体現するリーダーとして、個人の失点よりも、政府全体の信頼性で評価されている。
2025年のトランプ再選後の不安定な世界情勢では、日本の安定感が特に求められており、石破氏の慎重な外交姿勢も好意的に受け止められている。
3-1-2.官僚機構のサポート
日本の官僚は、外交や経済政策の専門性と継続性で、国際的に信頼されている。石破氏の外交発言や政策は、官僚の準備に支えられた「日本政府の公式見解」として受け止められ、個人の資質を超えた評価に繋がっている。
G7や国連での日本の立ち振る舞いは、官僚のサポートにより安定感を維持し、石破氏の信頼感を高めている。
3-1-3.協調的リーダーシップ
トランプ大統領の強硬な外交や、ポピュリストの台頭による「トランプ疲れ」が広がる中、国際社会は協調的で予測可能なリーダーを求めている。
石破氏の日米同盟重視、日中関係改善、気候変動や多国間協力へのコミットメントは、こうした期待に応えるものだ。特に、G7でのイスラエル非難やリベラルな発言は、グローバルなリベラル層から支持を集めている。
3-2.日本の不人気:国民の期待との乖離
国内での石破首相の不人気は、国民の期待と実感のギャップに起因する。
3-2-1.経済的実感の欠如
物価高や経済停滞、少子高齢化など、国民の生活課題は深刻だ。石破氏の「地方創生2.0」や「楽しい日本」は、長期的なビジョンとしては理解できるが、即効性のある経済対策や生活改善に直結しない。
これに対し、国民は安倍晋三元首相のような、明確なビジョンと強いメッセージで牽引するリーダーシップを求める傾向がある。
3-2-2.スキャンダルと失言の拡散
日本のネット世論は、Xや2ちゃんねるなどで、失言やスキャンダルが急速に拡散し、批判が過熱する。商品券問題や「楽しい日本」発言は、こうしたメカニズムで石破氏のイメージを大きく損ねた。
2024年衆院選で自民党が過半数を割り、少数与党の状況に陥ったことも、「リーダーシップ不足」の印象を強めたと言えよう。
3-2-3.党内基盤の弱さ
自民党内で非主流派だった石破氏は、党内支持基盤が弱い。派閥間の対立や高市氏への党員票の集中は、石破政権の不安定さを象徴するものだ。
国内メディアは、この党内対立を強調し、国民に「弱いリーダー」のイメージを植え付けている。
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