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【精神科医・和田秀樹】製薬会社・長嶋茂雄・消費税。私が「日本をダメにした3大利権」に戦いを挑むワケ

精神科医・評論家・映画監督・小説家など多くの肩書きを持つ著者が、先入観にとらわれない思考で日本の現在を斬るメルマガ『和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」』。今回はその2025年6月14日号をご紹介。新政治団体「幸齢党(こうれいとう)」を最近立ち上げた和田氏が「製薬会社」「長嶋茂雄」「消費税」について忖度なしの「本音」を語ります。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです

「幸齢党(こうれいとう)」を立ち上げて再認識したわが国の問題点

予定通り私の主宰する政治団体、医療改革と高齢者政策改革のための党「幸齢党がスタートした。

この6月9日に政治団体としての届けを無事に出すことができ、その日に記者会見を行った。50社も来てくれてまさに盛況だった。

ただ、テレビ局はNHKとフジテレビしか来なかった。もちろん、全社に招待状を出したのだが、ものの見事にスルーされた。薬を減らす政策を全面に出しているのだから、製薬会社の犬であるテレビ局が来るわけがないと思っていたら、その通りになった。NHKはスポンサーを気にしなくていいし、フジテレビは、今は製薬会社が広告自粛しているので、影響がないと考えたのだろう。

ただ、翌日になって、さらに愕然とすることになる。

全国紙は、ほとんど我々の結党を取り上げてくれず、ある程度のスペースを割いてくれたのは、スポーツ紙だけだった。共同通信も取材にきたが、全国の地方紙に配信してくれず、2日ほど経って、私が連載している四国新聞から、選挙期間中は掲載が難しいという話がきた。共同が配信してくれなかったので、気づくのが遅くなったそうだ。

「日本の利権」にからめとられる高齢者たち

前回も問題にしたことだが、もともと、新政党というのは、参入障壁が高い。10人の意思がしっかりした、しかもそれなりに候補者として恥ずかしくない人に立候補してもらうのは至難の業だ。

10人分の供託金も重い。私は一生借家住まいでいいと思っているから、家を売った金を使うわけだが、多くの人はそうはいかないだろう。

ところが、そうやって頑張って候補者を集めたとしても、今度はマスコミが取り上げてくれない

若い人相手の政策で攻めるなら、YouTubeのようなSNSでムーブメントを作ることができるだろうが、メインの集票対象である高齢者には、この戦術ではほとんど届かない。もっとお金があれば、ガンガンCMを流したり、新聞広告も出しまくることができるかもしれない。ただ、これにしても考査があって、こっちの言いたいことが載せられないことがあるらしい。

高齢者に届くような手段があまりに少ない。こうして高齢者には既存政党しか選択肢がなくなり、免許返納圧力も含めて、高齢者いじめの政策が続けられる。こういうものは、テレビが作った作り話なのだが、どの政党もテレビの主張に敏感なので、それに従ってしまう。

さらに性質が悪いのは、医者やテレビ局や既存政党が作った、“日本は自由に医者にかかれるいい国”、“体の悪いところに合わせて、何種類でも薬がもらえるいい国”というデタラメを信じているお年寄りが多いことだ。

私の本や近藤誠先生の本などを読んでいる人は洗脳から解けているが、選挙を通じてその過ちや外国の実情、さらに薬を使わないで、日本より長生きしている国が出てきた話を訴えようとしたが、それをマスコミが取り上げようとしない。

私の政党がどのくらい票を取れるかわからないが、このままだと半永久的に日本人の薬漬けは変わらない

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製薬会社とテレビ各局の呆れた癒着ぶり

それにしても製薬会社の影響力は恐るべしだ。コロナワクチン接種後の死者の実情もまったく伝わらなかったし、それどころか、YouTubeでコロナ自粛政策の誤りを糾そうとすると、チャンネルごと削除するという通告が来る。

政策をなんとかしないと、薬の危険性が伝わらないと考えて政党を作ったのだが、このままみんなに知られないまま終わりかねない。

しかし、マスコミというのは、とくにテレビマスコミというのは、金のためにここまで魂を売り、ちゃんと報道しようとしないのは恐ろしいことだ。(次ページに続く)

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日本全体が“長嶋茂雄化”している。憂慮すべきわが国の末期症状

さて、日本にはほかの圧力もある。

私がYouTubeで、監督時代に引き抜きをやりまくった長嶋茂雄を批判したら、林隆信(偽名か本名かわからない)という人から、「ご自分が少し偉くなったと思ってしまった。長嶋の批判はよくない。百年はやい。本も沢山買いましたがやめます。貴方は最低な男」というメールがきた。

百年早いと言うことは一生長嶋の批判をできないということだろう。偉い人は何をしてもよいが、下々がそれを批判すると「ご自分が少し偉くなったと思ってしまった」などと言われる始末。

とにかく、監督時代の長嶋の他球団の4番打者取りはひどかった。

93年オフに中日の4番・落合博満を入団させ、翌94年のシーズン途中に前年までダイエーの4番を打った岸川勝也を交換トレードで獲得。同年オフにもヤクルトの広沢克己、ハウエルの4、5番(ハウエルも4番併用)を両獲り。1年の間に他球団の4番4人を相次いで入団させたのだから。

その後も長嶋巨人は、西武・清原和博&マルティネス、近鉄・石井浩郎、広島・江藤智と他球団の4番をかき集める。江藤などは戦力としてほとんど使われず、わがカープを弱くするための引き抜きとしか思えない。

おそらく長嶋ファンの人たちは、獲られた側のチームやそのファンの気持ちなどまったく理解できないだろう。私が長嶋を批判するのも偉くなったからでなく、弱者の立場だと思っているからだ。

そして、長嶋ファンは言論の自由のある国でも批判を許さない。日本を北朝鮮みたいな国にしたいのが長嶋ファンだと思い知った。

実際、特定の球団にいい選手が集まりすぎることで、日本のプロ野球はつまらなくなり、優秀な選手はすべてメジャーに行くようになった。巨人に行って悪いイメージがつくよりメジャーのほうがずっといいということもあるだろう。

かくして日本の野球はメジャーの二軍のようになってしまった。これが長嶋のやらかした結果だ。

でも、強い側は何をしてもいいというのは、日本の政治状況そのものだ。税金を払い続けていても、政府与党が好き勝手に金を使う。生活保護でちょっと返してもらおうとすると、強者の味方の長嶋ファンのような人たちにバッシングされる。

警察がまじめに治安を守ろうとせず、交通で金儲けばかりするようになっても、それを誰も批判しない。強いものはやり放題。その象徴が長嶋で、それの支援者が長嶋ファンなのだと思い知った。(次ページに続く)

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日本を破壊した「消費税」の問題点を報じないテレビ局

さて、選挙が近づき、消費税問題が争点となっている。財源をどうするのかはともかくとして、逆進性の高い消費税はどうにかしないといけないとも思う。

すると、いつものようにキクマという多くの会社の顧問や社外取締役をやって高額収入を得ている弁護士が「そもそも消費税は悪いのか」と言い放った。

財源がないと何かと消費税になり、欧米では20%以上が当たり前で、海外より安いという説明になるが、これはヨーロッパの話で、アメリカでは消費税はない。

売上税と訳されるものはあるが、10%を超える州はない。0%の州もある。これは国の税金でなく、自治体の税金だからなのだが、逆にそれを国は財源としてあてにしていないということだ。

一つ言えることは、経済の悪い時期はあったものの、このように消費税が恐ろしく安いアメリカが世界最強の経済を誇っていることだ。

新規の産業が興ったときに、それに消費税が乗っからないから、売りやすいということは言われる。法人税というのは、利益が出てから初めてかかる税金だから、消費税より法人税を重くする方が新規参入が可能になりやすいのだ。

日本で消費税を下げる財源の話になるとき、法人税や所得税を上げようという話にならない。私は行動経済学の“人間は損に反応して消費行動をする”という理論からも、ため込みが好きな日本人の国民性からも、直接税のほうが経済のためにいいと考えている。

実際、法人税や所得税が高い頃は格差をあまり作らずに、高度成長をなし得た。逆に、それを下げてからの経済はまったく成長がない。法人税が高い頃は、経費を作ろうとして、従業員の給料を上げたし、さかんに設備投資(これは経費にならないことが多いらしいが)をした。

カーネマンもいうように、人間というのは、企業であっても損をしたくない生き物なのだ。金を使うほど税金が安くなる直接税は景気を刺激する。逆に金を使うほど税金が高くなる間接税、消費税は消費を冷やす

こんな当たり前の心理学を無視して、消費税論議をするから、財源がないという話になるし、消費税を上げないと国がもたないという話になる。(次ページに続く)

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「金持ち減税は米国を、消費税増税は欧州を見習え」という矛盾

さらにいうと、直接税が安く、間接税が高いと格差は確実に広がる。

日本がうまくいってきた経済運営を否定して、アメリカ主導の減税論議に乗ったから日本の経済はダメになったのだ。その手本であるアメリカも消費税が安いのに、どうしてか消費税が必要だとか、もっと上げないと国が持たないという話になる。

確かにヨーロッパは消費税が高い。その代わり、医療費は原則的にタダだし、福祉も充実している。さらに教育費は大学までタダと言う国が当たり前だ。消費税が高い代わりに、貯金をしなくても安全なので経済が回る

日本は、消費税が高くても、金を貯めておかないと不安なので、やはり経済が回らない。日本の金持ちやエコノミストたちは、税金の話をする際に、金持ち減税はアメリカを見習い、消費税はヨーロッパを見習えと言う。そして見返りはアメリカ並みという話になる。

さらに直接税を安くする代わりに社会保障料はやたらに高い。税金は累進だが、社会保障料は一定以上は上がらないので、逆進性も高い。また税金を上げるには国会を通さないといけないが、社会保障料はその必要がないので無駄遣いの温床だ。

たとえば、医療費にしても、こんなに高齢者に薬を飲ませる国はない。ただ、今回のキクマにしても、私が政党を立ち上げた際のマスコミの扱いにしても、やはりマスコミというのは、金持ちの味方なのだという思いが強い。

それに切り込もうとすると、無視という形で、それを知らせないようにする。消費税論議にしても、アメリカがいかに安いかをテレビでは絶対に言わない。ネット民が立ち上がっても、高齢者は知らないままだ。

こんなことでは世の中は変わらない。

いずれにせよ、キクマという人間が、年金が安く、貯金もなく、家賃を払っている人に、弁護士のくせに生活保護を知らせないように、貧乏人に冷たく、金持ちの味方なのは確かなようだ。そして、そういうやつを使うのがテレビ朝日だ。テレビ朝日は今のところ、我々、幸齢党を完全に無視しているのも事実だ。

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(本記事は有料メルマガ『和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」』2025年6月14日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。6月21日号「日本を貧しい国にする人たち」や、6月28日配信予定の最新号も、初月無料登録ですぐに読めます)

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image by: 在日アメリカ大使館, Public domain, via Wikimedia Commons

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