【精神科医・和田秀樹】なぜ広末涼子の危険運転が許され高齢ドライバーばかり叩かれるのか?警察・製薬・マスコミ癒着の構造

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精神科医・評論家・映画監督・小説家など多くの肩書きを持つ著者が、先入観にとらわれない思考で日本の現在を斬るメルマガ『和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」』。今回はその2025年4月19日号より、交通事故を起こし傷害容疑で逮捕・送検、その後釈放された広末涼子さん(44)と、テレビ報道でタブー化している「薬害による交通事故」について、和田さんの「本音」をご紹介します。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです

「薬のせい」では都合が悪いか?広末涼子の絶叫錯乱劇を斬る

予想通りと言おうか。広末涼子さんは何もなかったかのように釈放された。

警察は今のところ一切薬物には触れていない。確かに違法薬物も睡眠剤も検査で検出されなかったのだろうが、まだまだ風邪薬とかアレルギー薬など、運転禁止薬は飲んでいた可能性は高い。(という証言があるようだ)

広末さんの事務所は、精神的に不安定で医者にかかっているという風なことで説明している。また暴行の被害者との示談も成立したようだ。

私には、裏になんらかの力が働いているという気がしてならない。

一般の市販薬(アレルギー剤、かぜ薬)が運転禁止薬に指定されているからといって、それで意識障害を起こして、危険運転致死傷罪が適応されるとすれば、前代未聞の話だ。もちろん、処方薬の運転禁止薬で同じような事故を起こしても、そういうことになるだろう。

ただ、警察はそれに熱心でないと私は見ている。

実際、前警察庁長官も薬局チェーンの顧問に天下っている。

池袋の事故でも福島の事故でも、ふだん安全運転の人が暴走したのだから、意識障害が疑わしいが、警察はその線では一切調査や捜査をせず、年齢のせいで片づけてしまった。そのおかげか警察幹部は薬関係の天下りが多いと聞いている。

日本で隠蔽され続ける「薬害による交通事故」

そしてそれ以上に問題なのはテレビ局だ。

池袋の事故でも福島の事故でも、意識障害についての疑いを語るコメンテーターを一切排除し、被害者を利用して「こんな高齢なのに運転するのは許せない」と言わせ続けた。

被害者の方は気の毒だが、事故原因については専門家でない。彼らが事故原因を歳のせいだと決めつける資格がないのは明らかだ。

女性の運転する自動車で自分の子どもが死んでしまった被害者が「女のくせに運転するな」「女は危険だから運転するな」と感情的に論じたら、どこのテレビ局が報じるだろうか?同性愛者や外国人に子どもがはねられた時だって同様だろう。

でも、高齢者のときだけはそれが許される。そして、善良な人は免許を返納して6年後には要介護状態になっていく。

今回も、薬の危険性や運転禁止薬のことを世の中の人に知ってもらうチャンスだったのに、テレビ局は一時的に、警察が発表するだろうと考え、風邪薬やアレルギー薬を飲んでいたことを報じたが、警察が発表しないので、まったく無視することになった。

広末さんが薬を飲んでいることについては、危険運転致死傷の可能性があるので弁護士が言わないことにさせたのかもしれないが、広告代理店が動いて、「今後のタレント生命のことを考えたら、薬のせいでなく心の病のせいにしてくれたら悪いようにしない」という話になったのではないかと疑っている。

それで事務所も本人の心の病の問題として発表した。

日本では薬害による交通事故はかくして隠蔽され続ける。

そして高齢者の事故については年齢のせいにされ、高齢者以外の事故については、どんなに不自然なものであっても報じない形で対応される。(次ページに続く)

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