半年に1回、集計される「タレントCM起用社数ランキング」の最新版が発表されました。このランキングをみるたび「やはり広告業界は今の時代を読むことに長けていると実感する」と言うのは芸能記者歴30年超のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さん。さて今回はどんな「時代の変化」があったのでしょうか?
「2025上半期タレントCM起用社数ランキング」芦田愛菜が1位に返り咲き
“2025上半期タレントCM起用社数ランキング”をニホンモニター社が発表。まず男性陣の中では、一体いくら稼いだら気が済むのか…という大谷翔平が頂点に立ちました。
順位だけを見れば、この数年“絶対王者”に君臨していた賀来賢人と同じ「3位」なのですが、大谷は直近1年の間にクライアントの数を7社から15社にまで増やしており、「賀来を抜いた」と言っていいと思います。

出典:ニホンモニター株式会社
タレントや役者ではない大谷ですから、素振りを見せたり、ビーチでサッカーボールをリフティングしたり、カメラに視線を投げるだけで収録は終了。まぁ本人にとっては慣れない照れ臭さで大変なのかもしれませんが、ドラマを1本撮るようなCM制作に較べれば労力も少なくて済みそうです。もちろん、その裏には壮絶なトレーニングとストイックな選手生活があることを思えば頭が下がりますけれど…。
いっぽう、女性陣に目を落とせば、常に上位にランキングされていた芦田愛菜が、実に3年ぶりに冠を奪還し1位になりました。
“芸能界の首領”と言われたバーニングプロダクションの周防郁雄相談役会長は、芦田が女王になるのを楽しみにしていると言われ続けていますから、3年ぶりに歓喜したのは間違いないでしょう…本当に良かったですね。
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ランキングから読み取れる芸能人の泣き笑い。今田美桜の場合は
半年に1度発表されるこのランキング、順位とともに私が注目しているのは、タレントごとの起用社数の増減です。
例えば昨年末からクライアントを3社増やして、見事TOP3に返り咲いた今田美桜。
好評を得ている朝の連続テレビ小説『あんぱん』で、どんな変化があったのかに注目してみました。
『ミスタードーナツ』『阪急阪神不動産』、ハミガキ“シュミテクト”でお馴染みの『Haleonジャパン』が新しいクライアントになっています。
『ミスド』はやはり、『あんぱん』の効果でしょうか。
『阪急~』は、『あんぱん』が、舞台となった高知県長岡郡界隈に注目を集めたことによる、四国・近畿圏の不動産需要の拡大を見越しての新規契約のような気がします。ちなみに『あんぱん』の地元、高知県での視聴率は第62話で31.6%の世帯視聴率を記録(ビデオリサーチ社調べ)したといいます。
でも逆に、こんな状態の中、契約を終了したクライアントもいます。『ライオン』と、人材派遣・アウトソーシングの『グロップ』がそれで、『あんぱん』の放送開始とタイミングを合わせるかのように契約を終了しているんですね。
契約金の高騰からなのか、企業イメージに合致しなくなったのかはわかりませんけれど…。(次ページに続く)
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