今の日本列島には、純金融資産が1億円を超える富裕層が「約148万5,000世帯」も存在する一方で、所得が集団の中央値の半分にあたる貧困線に届かない人の割合を指す「相対的貧困率」は15.4%で、30年前より1.9ポイントも高いのです。
米国は15.1%、英国は11.2%ですから、日本は米英と比べると国内の経済格差が大きい状況です。
この現実に政治家たちはこれからどう向き合うのでしょうか。
カネがなければカネを増やす、ことも大切ですが、カネがないことで経験できないことを経験できるような政策を考えることだってできるのではないでしょうか。
例えば、フランスには「バカンスの習慣」がありますが、これは国と企業が時間をかけて作ってきた制度です。企業は社員にバカンス手当を配布しなければなりませんし、地方自治体には失業者や自営業者、低所得者などでもバカンスを取れるように援助する制度があります。
低所得の高齢者が孫たちと会うために援助を受けバカンスに出かけたり、失業者が元気をチャージするためにバカンスを取ることもあるとか。「幸せな時間」を国民全員が持てるような仕組みを作り、問題があれば改善し、を繰り返しているのです。
豊かな社会って、お金だけじゃないと思うのですよね。そんな「人」に寄り添った政治を進めてくれるといいのですが…。
みなさんのご意見、お聞かせください。
この記事の著者・河合薫さんのメルマガ
image by : Ned Snowman / Shutterstock.com
初月無料購読ですぐ読める! 7月配信済みバックナンバー
- 豊かな社会はどこへ?ーーVol.434(7/23)
- 病院が消える日ーーVol.433(7/16)
- いよいよ「超中年社会ニッポン」に突入!ーーVol.432(7/9)
- 本当に梅雨は消えたのか?ーーVol.431(7/2)
<こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー>
※初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込880円)。
- 脳、疲れてませんか?ーーVol.430(6/25)
- 病欠とやる気のはざまでーーVol.429(6/18)
- ゲリラ豪雨と線状降水帯の違いって?ーーVol.428(6/11)
- ビジネスケアラーと隠れ介護ーーVol.427(6/4)
- ファッション化する“シューカツ“ーーVol.426(5/28)
- 学びの場崩壊!天井落下、雨漏りもーーVol.425(5/21)
- 自分の「感情」がわからない子どもたちーーVol.424(5/14)
- 恐怖と被害の狭間で。ーーVol.423(5/7)
- 「老化」は病? ーーVol.422(4/30)
- 氷河期支援の目的は?ーーVol.421(4/23)
- 「日本型福祉社会」レジームの行方ーーVol.420(4/16)
- 発令されない警報ーーVol.419(4/9)
- “性暴力“とは?ーーVol.418(4/2)









