5.メインストリームの価値観転換:外見から中身へ
福山雅治のスキャンダルは、芸能界の価値観そのものの転換も浮き彫りにしている。これまで日本の芸能界は「外見重視」の文化が支配的だった。福山氏もまた、その象徴的存在だった。
男性向け雑誌の「なりたい顔ランキング」で3年連続1位に輝いた福山氏は、まさに「外見で勝負する時代」の申し子だった。しかし、現在求められているのは、外見の美しさではなく「人格の美しさ」である。
#MeToo運動以降 、芸能人には外見だけでなく、人権意識、社会的責任、コンプライアンス意識が厳しく問われるようになった。どれほどルックスが良くても、過去に問題のある発言や行為があれば、それが表面化した瞬間にキャリアが終了するリスクがある。
この変化は、若い世代のタレントにより顕著に表れている。彼らは外見の美しさだけでなく、社会問題への関心、多様性への理解、倫理観の高さをアピールすることで支持を獲得している。逆に、福山氏のような「昭和・平成の価値観」で築かれたスターは、新しい時代の要求に適応することが困難になっている。
また、メディア消費の多様化により、従来のマスメディアが作り上げた「スター」の地位も相対化されている。YouTuber、TikToker、インスタグラマーといった新世代のインフルエンサーは、より身近で親近感のある存在として支持を集めている。彼らは「完璧な外見」ではなく、「リアルな人間性」で勝負しており、この傾向は今後さらに加速するだろう。
6.時代背景への嘆き ~すべてが暴かれる時代~
筆者は、この一連の変化に憂慮を覚えているが、一方で諦観しているのもまた事実だ。確かに、男性中心社会の悪弊を正すことは必要であり、女性の人権を軽視するような行為は断じて許されるべきではない。しかし、すべてを「現在の価値観」で裁き、過去の文脈を一切考慮しない風潮にはどこかしっくりしない疑問を持っていることを告白しなければならない。そう、筆者も平成の時代にメディアに生きてきた古い人間なのだ。
現在の日本社会は、かつてない「告発の時代」に突入している。SNSの普及により、これまで業界内で「黙殺」されていたような出来事も、今や瞬時に全国に拡散される。週刊誌が火をつければ、それがテレビ、新聞、そしてネットメディアへと連鎖的に広がり、収拾がつかなくなる。
特に深刻なのは、メディア業界全体の――(『上杉隆の「ニッポンの問題点」』2025年8月30日号より一部抜粋、続きはご登録の上、8月分のバックナンバーをお求め下さい。初月無料です)
※本コラムは個人の見解であり、特定の個人や団体を擁護・非難す
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