訛りが酷すぎてピザ屋をクビになった福山雅治がキムタクに勝利できたワケ

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俳優・福山雅治主演の連続ドラマ『ラストマンー全盲の捜査官ー』(TBS系)が最終回を迎え、平均世帯視聴率13.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)、視聴率は全話2桁台を記録しました。一方、“キムフク戦争”として注目されていた木村拓哉主演のドラマ『風間公親―教場0―』の最終回視聴率は9.8%。今回のドラマ対決は福山“完勝”の結果に終わったようです。これに芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんは、ここ数年の福山の変化について言及。「彼の“みなぎる自信”を感じて仕方ない」と、福山が進化した理由を推察しています。

福山雅治に“みなぎる自信”。話し始めた「謎の私生活」

放送がスタートするまで“キムフク戦争”とも呼ばれ、大いに盛り上がった木村拓哉の“月9”枠『風間公親-教場0-』と福山雅治の“日曜劇場”枠『ラストマン-全盲の捜査官-』が共に最終回を終えましたね。

キムタクは9.8%、福山は12.9%という平均視聴率も発表され(ビデオリサーチ調べ/関東地区)軍配が上がりました。

視聴者の“テレビ離れ”、“ドラマ離れ”が進む中、特に最終話に13.4%を記録した『ラストマン~』はキャスティング、ストーリー、プロモーション展開の高いクオリティが受け入れられ、福山雅治という座長の存在感が改めて認識されたように思えます。

私は特に福山の、ここ数年のキャラクターの変化に、彼の“みなぎる自信”を感じて仕方ありません。

福山の微妙な変化の皮切りは、2年前の『ファミリーヒストリー』にあるような気がします。

この番組に福山が出演したこと自体、当時は驚いたことを憶えていますが、ここで実父の明さんが被爆者だったことや、53歳という若さで肺がんで亡くなっていたことを、家族写真まで提供して語っていました。

芸能記者たちの間でも“あの福山がプライベートを、これほど詳細に話すとは…”と、ちょっとした評判になっていたものです。

1993年の『ひとつ屋根の下』が高視聴率ドラマとなり、一躍注目され始めた福山でしたが、その私生活に芸能マスコミが入り込むことは業界内ではタブーとされていました。

ところがここ数年、本人の意思なのか事務所戦略なのかはわかりませんが、福山はサラっと私生活を話し始めているように思うのです。

最近で言えば『ラストマン~』大ラス1週前の18日に放送された『日曜日の初耳学』でもそうでした。

もちろんドラマの最終回に向けてのプロモーション出演で“バディ”大泉洋が福山を大絶賛するコメントを溢れ返らせたわけですが、ここでも福山は自分は役者ではなくミュージシャンとして成功するために上京し、西武新宿線の『拝島駅』近くに住み、アルバイトをしていた新宿区新大久保の宅配ピザ店まで往復3時間かけて通っていたことを口にしたのです。

故郷・長崎には当時無かった都心の宅配ピザで働けば、若者たちの最前線に身を置けると思ったと言い、結局この店は「長崎君(福山の当時の呼び名)、訛りが酷すぎるから…」とクビになった事も話していました。

当時この近くに住んでいた私は宅配ピザを頼むこともしょっちゅうでしたから、思わずテレビの前に身を乗り出して観てしまいました。もしかしたらあの店に…なんて想像しながら…。

あまりに安すぎた『ひとつ屋根の下』前の給料

番組では所属事務所のギャランティについても、極めてレアなケースですが言及していました。

事務所のオーディションに受かってからデビューするまでの給料は8万円で、『拝島』の居心地の良かった材木店でのバイト収入は月17、8万円。

1990年にアーティスト・デビューをした後は材木店を辞め事務所の給料は15万円に上がったものの…「給料(総収入)、下がってるじゃないか、アミューズ…もう…」とカメラ目線で話す福山…これには結構驚きました。

そして『ひとつ屋根の下』が終わってしばらくしたら、ようやく材木店の倍くらいに給料を上げてくれた…とも。

『ひとつ~』の“チィ兄ちゃん”の頃はJR南武線『武蔵新城』駅近くの、1階には『CHAGE and ASKA』の『SAY YES』を大音量で流す外国人数人が住む、家賃5万5千円の“第一石井荘”に住み、ドラマを観て感情移入した近くの『京樽』でバイトしていた女子高生が「チィ兄ちゃん、大変なんですね。店の廃棄処分間近のお寿司、食べて下さい」と定期的に部屋のドアノブに寿司の入った袋を下げてくれていたエピソードも明かしていました。

その女子高生は今、何処で何をされているのでしょうね…心温まる話です。

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