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習近平が恫喝。日本に帰化した参院議員・石平氏に「制裁措置」を発動する中国政府の小さすぎる器

祖国の真の民主化を誰よりも強く望み、帰化先の日本で中国共産党政権への批判的な言論活動を続ける石平(せきへい)参院議員。そんな石平氏に対して、習近平政権が取った措置が大きな話題となっています。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では、中国外務省が石平氏に制裁を加える旨を発表したニュースと、祖国からの「恫喝」に一切動じない石平氏の反応を紹介。その上で、彼の勇気と行動力に称賛の意を示しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:帰化人すら恫喝する中国の卑劣

石平氏に習近平政権が加える制裁。帰化人すら恫喝する中国の卑劣

中国政府が石平参議院議員に対し制裁措置「反中勢力と結託し挑発的な行動」

現在は日本に帰化していますが、かつては中国国籍で、現在は日本維新の会所属の参院議員である石平氏が、中国から恫喝を受けました。その内容については、以下、報道を一部引用します。

中国外務省は日本維新の会の石平参議院議員に対し、中国国内の財産を凍結するなどの制裁措置をとると発表しました。

中国外務省は石平参議院議員について、「台湾や尖閣諸島をめぐる問題で長年にわたり誤った主張を広めた」と指摘。

「中国の内政に干渉し、主権と領土の一体性を損なった」として、▼中国国内にある不動産など財産の凍結や、▼本人などに対するビザの発給停止などの制裁措置をとると発表しました。

また、中国外務省の報道官は石平議員について「かつて中国国籍を保有していた」と指摘したうえで、次のように非難しました。

中国外務省 林剣報道官

「石平は自分の利益のために先祖と歴史を忘れ、良心を売り渡し反中勢力と結託して挑発的な行動を起こしている。大切なものを売り渡して栄華を求める者は自業自得の結末を迎えるだけだ」

中国政府が石平参議院議員に対し制裁措置「反中勢力と結託し挑発的な行動」

日本維新の会の代表である吉村洋文氏は、これについて「中国について最も詳しく、腹をくくって国会議員になられた。石平議員とともに、われわれは中国に対する政策を作り実行していきたい」とコメントし、抗議するとしています。

また、石平氏本人はこのように言っています。以下、報道を一部引用します。

「制裁発動のニュースを教えられて吃驚した。そもそも、この私は中国国内では一文の財産をもっていないし、中国へ行くつもりもない。財産凍結もビザ発行しないのも単なる向こうの茶番だが」

「制裁されたことはむしろ光栄、中国政府から勲章をもらったものだ!」

「中国外務省の公式サイトをみると、私石平にたいする制裁発動の理由として、『石平は長期間、台湾、尖閣、歴史、新疆、チベット、香港など問題で間違った言論をばらまき、公然と靖国神社参拝』を挙げた。なるほど、それは私の今までの言論活動にたいする全面的な大評価ではないのか!」

維新・石平参院議員 中国外務省からの制裁に「むしろ光栄、勲章をもらったようなものだ」

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中国へは帰れないと覚悟を決めていたであろう石平氏

石平氏は恐らく、日本で中国を批判する言論活動をはじめた頃から、中国へは帰れないと覚悟を決めていたのではないでしょうか。そうでなければ、中国批判などできるわけがありません。

一部の人権派弁護士などが、中国国内にとどまりながら、人々のために尽くそうと中国政府を相手取って闘っている立派な人たちもいますが、彼らの多くは身の危険を感じて海外へ亡命するか、政府に拘束され家族のもとに帰してもらえないか、または長期間拘束された後に廃人となって帰って来るかのどれかです。

石平氏は、そんな中国政府のやり方をよく知っているからこそ、日本に帰化して日本から中国を変えようと言論活動に勤しみ、ついには議員になりました。中国外務省の担当者はそんな石平氏について、このように言っています。以下、報道を一部引用します。

石氏が、「中国の内政に干渉し主権や領土の一体性に重大な損害を与えた」のが理由という。「反外国制裁法」に基づく措置で、即日実施する。

同省は、石氏が「台湾や釣魚島(尖閣諸島の中国名)、歴史問題などで誤った言論を拡散し、公然と靖国神社を参拝した」などと非難。親族を含め入国禁止とするほか、中国国内にある資産の凍結、中国国内の団体や個人との交流や取引も禁止する。

外務省の林剣副報道局長は8日の記者会見で、「石氏は反中勢力と結託し、もめ事を起こしている」と主張。「制裁は強力な戒めであり厳重な警告だ」と述べた。

石平参院議員に制裁 「誤った言論拡散」と非難―中国外務省

石平氏は、議員選挙に立候補する際に、一度出馬を取りやめたことがありました。理由は、「ネット上であふれた、私個人への中傷誹謗・罵詈雑言に対し、家族が動揺した」とのことでした。

石平氏、参院選出馬取りやめ

このネットの書き込みは個人なのか組織的なものなのかは分かりませんが、その後、石平氏は「中傷誹謗(ひぼう)に負けて出馬を取りやめたのであれば、民主主義の敗北となる」として、出馬辞退の撤回を表明して選挙に挑み、見事当選を果たしたわけです。

石平氏、参院選出馬辞退を撤回

やはり中国批判についての言論活動を公にするには、よほどの覚悟が必要だということです。中国国外にいるからといって決して安全ではありません。それでも、これほどの恫喝を受けても、臆さず、堂々と受けて立つという姿勢を貫いているのは素晴らしいと思います。

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「抗日戦争勝利80年」パレード数日前に起きていた事件

先日、北京で軍事パレードが行われましたが、その数日前に、次のような事件がありました。以下、報道を一部引用します。

重慶市で、中国共産党を批判するメッセージが建物に映し出されていたことがわかりました。

中国内陸部の重慶市で撮影されたものとみられるこちらの映像。軍事パレードが行われた数日前の先月29日、SNSに投稿されました。

高層ビルの外壁に映し出された文字には中国語で「共産党がなくなってこそ、新しい中国がある」と書かれています。ほかにも「嘘はいらない、真実がほしい。自由がほしい」など共産党を批判する文字が並びます。

アメリカの有力紙「ニューヨーク・タイムズ」によりますと、動画を投稿したのはイギリスに滞在する中国人男性で、先月上旬、重慶市内のホテルの部屋にプロジェクターを設置し、家族と中国を離れて遠隔で操作したということです。

男性は「党は私たちを監視するためにカメラを設置する。私も同じ方法で彼らを監視できると思った」と話しているということです。

「共産党なくなってこそ新しい中国がある」 重慶市で共産党批判の映像

中国国内に鬱積している人々の不満は、この事件でもよく分かります。この人物はイギリスにいるとのことですが、海外にいるから安全というわけではありません。中国政府に目をつけられたら、どこまでも追われることになるのです。それでも、身を危険にさらしてもこうして声を上げる人が常にいます。

北京で行われた軍事パレードでは、習近平、プーチン、金正恩の三人が並んで歩く姿が報道されました。この三人の権力者の下には、どれだけの犠牲者がいるのかとつい想像してしまいます。

今回の中国による石平氏への恫喝では、他国で帰化した元中国人に対しても、中国政府は自分たちの思う通りに動かそうとしており、それに従わない者は親族含めてさまざまな制裁を加えられることが明らかになりました。

石平氏のような、勇気と行動力のある人々によって、少しでも犠牲者が救われる道ができることを願います。

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image by: X(@石 平 (参議院議員)

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