トランプ批判も辞さず。地球環境と民主主義を守るために戦ったロバート・レッドフォードの生涯

 

また、レッドフォード氏は、2005年には息子でドキュメンタリー監督だったジェームズ・レッドフォード氏とともに、環境団体「ザ・レッドフォード・センター」を設立し、環境保護活動を続けて来ました。残念ながらジェームズ氏は2020年、58歳の若さで胆嚢癌で亡くなってしまいましたが、「ザ・レッドフォード・センター」は現在も精力的に活動を続けています。以下、リンク先の団体のHPには、ロバート・レッドフォード氏に向けた追悼メッセージが掲げられています。

Robert Redford 1936-2025(THE REDFORD CENTER)

2015年12月1日からパリで開催された「COP21(気候変動枠組み条約第21回締約国会議)」に向けて、同年6月29日にニューヨークの国連本部で開催された気候変動に関するハイレベルの会合では、レッドフォード氏が登壇し、集まった各国の代表に対して「今すぐに世界の国々が協力して行動しなければならない」と強く訴えました。以下の動画は日本語の字幕付きなので、ぜひご覧ください。

ロバート・レッドフォード氏、国連本部での気候変動に関するハイレベル会合で世界に訴える

9月25日(木)の文化放送『長野智子 アップデート』にゲスト出演した元・日刊スポーツの編集局長、久保勇人氏は、亡くなったロバート・レッドフォード氏の環境保護活動家としての顔を紹介するため、その1つの具体例として、第1次トランプ政権3年目の2019年11月に、レッドフォード氏がアメリカの3大ネットワークの1つである「NBC」に寄稿したメッセージの一部を紹介しました。

私たちは、生きている間に直面するとは思ってもみなかった危機に、今、直面している。それは、トランプ大統領による、この国のあらゆる理念に対する独裁者のような攻撃だ。

私たちの国は、今、United States of America(アメリカ合衆国)ではなく、Divided States of America(分断されたアメリカ)になってしまった。

この船を正しい方向へ導き、目の前の惨劇の行方を変えるチャンスが必ず訪れる。あなたが共和党と民主党のどちら側にいても、真実と人格と誠実さを備えた人物に投票すると皆で誓おう。世界は今、切実にリーダーを必要としている。われわれアメリカは、今またそのリーダーに返り咲こうではないか。

こうしたレッドフォード氏のメッセージがどれほどの効果を発揮したのかは分かりませんが、翌2020年の大統領選では民主党のジョー・バイデン氏が勝利し、トランプ大統領の再選を阻止することに成功しました。トランプ大統領は「選挙で不正があった!」とギャーギャー騒ぎ立てましたが、選挙結果は覆りませんでした。

しかし、良識あるアメリカ人たちによって大統領の座から引きずり降ろされたトランプ氏は、連日のようにSNSなどでデマを垂れ流し続け、移民を犯罪者に仕立て上げ、国内の分断を煽ることで自分の信者を増やし続け、次の大統領選へと準備を進めたのです。そして、その作戦は、皆さんご存知のように、残念ながら成功してしまったのです。

自分のホワイトハウスを取り戻したトランプ大統領は、上品で重厚感があったホワイトハウスの執務室の内装に、自分の趣味で金箔を貼りまくり、キンキラキンの下品な宮殿にしてしまいました。さらには、3つの連邦政府ビルに、自分の顔が描かれた巨大な横断幕が掲げさせました。あたしは動画ニュースで観ましたが、ひと言で言えば「まるで北朝鮮」です。

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