公明党から「熟年離婚」された高市早苗を厳しく批判、マトモな感性と知性を兼ね備えた自民党議員の名前

 

確定的となった自民党の国政選挙における致命的な惨敗

しかし、確実だと思っていた公明票が一瞬にしてすべて消えただけでなく、場合によっては敵対する野党の代表に投票すると言い出したのです。高市総裁、これは心中穏やかではないでしょう。

首相を決める首班指名選挙は衆参両院の本会議で行なわれ、投票総数の過半数を得た議員が指名されます。衆議院での会派別勢力は、自民が196で公明が24なので合わせて220、連立が継続されても過半数の233に13も足りなかったのに、公明が連立を解消したことで、自民の不足分は3倍近い37にまで広がってしまったのです。しかも、自分が蒔いた種で。

しかし、公明党の連立離脱がどれほどの大ごとなのか、斉藤代表と会談をした時点での高市総裁は、残念ながら1ミリも分かっていませんでした。高市総裁は公明党の求める「企業・団体献金の規制強化」に応じず、その対価として公明票を失ったわけですが、これが何を意味するかと言えば、選挙、特に国政選挙における致命的な惨敗なのです。

1999年に自民党と連立を組んで与党となった公明党は「小選挙区は自民党候補へ、比例は公明党へ」という徹底した必勝パターンで自民党を支えて来ました。連立与党である公明党にとって、自民党が勝つことが公明党の安泰につながり、伝統芸のように「国土交通大臣」のイスが約束されていたからです。

衆議院の小選挙区は全国に289ありますが、公明党が支持母体である創価学会を動員すれば、1選挙区あたり平均約2万票が動きます。この約2万票が自民党候補の得票に上乗せされるのですから、よほどの強敵でもいない限り、小選挙区の自民党候補は昼寝していても当選します。これが、安倍派を中心とした「裏金問題」が発覚するまでの自公政権でした。

しかし、現在の自民党は、昨年9月の石破政権下での衆院選を見れば顕著なように、公明党の選挙協力があっても56議席も減らす大敗をしました。ま、これは、数多くの裏金議員を恥も外聞もなく公認した上に、非公認とした悪質な議員にまで1人2,500万円という選挙資金を振り込んでいたことが発覚し、有権者の怒りを買ったことが最大の原因です。

しかし、それでも「もしも公明党の選挙協力がなかったら?」という試算をしたのが、選挙の票読みを行なって来た「JX通信社」です。

昨年の衆院選の小選挙区で、自民党候補が当選したのは計132選挙区ですが、もしも公明党の選挙協力がなかったとして「JX通信社」が試算したところ、実に52の選挙区で自民党候補が落選していたとの結果が出たのです。さらには、自民党候補が次点候補と当落線上での接戦となる選挙区も10ほどあったのです。

公明党が協力しても56議席も減らした自民党ですが、もしも公明党の協力がなければ、少なくとも計108議席、最大で118議席も減らしていたのです。

そして、次の衆院選では初めから公明党の協力を得られないことが決まってしまったので、もしも高市総裁が首相に選ばれたとしても、首相の伝家の宝刀である「解散総選挙」というカードは封じられてしまったのです。何しろ、最低でも50を超える議席を失うことが分かっているのですから。

…そんなわけで、「公明との連立継続よりも企業献金を取る」というあまりにも浅はかな選択をしてしまった高市早苗総裁に対して、自民党内から厳しい声を挙げたのが、「熟年離婚」とは真逆で、あたしと同じ11月22日の「いい夫婦の日」がお誕生日のベテラン議員、船田元(はじめ)衆院議員でした。

この記事の著者・きっこさんのメルマガ

初月無料で読む

print
いま読まれてます

  • 公明党から「熟年離婚」された高市早苗を厳しく批判、マトモな感性と知性を兼ね備えた自民党議員の名前
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け