「同じことをしているのに、なぜあの人だけ結果が出るのか?」と思ったことはありませんか? その差は能力や努力量ではなく、物事の見方にあります。メルマガ『菊原智明の【稼げる人、売れる人に変わる知恵】』の著者であり、経営コンサルタントで関東学園大学で教鞭も執る菊原さんは、少し視点を変えることで、成果が劇的に変わる方法を伝授しています。
結果を出している人の“物事を裏側から見る”という視点
ある集まりの仲間は「なんでもうまくやっているな」と思える人が多い。
・営業でいい成績を上げ続けている
・会社を黒字経営している
・プライベートが充実している
・体も健康
などなど。他分野で結果を出している。
もちろん凄いのだが「能力的にずば抜けている」というわけではない。
いたって普通。だが、考え方、思考は一味違う。
結果を出している人、成功している人は“物事の捉え方”が他の人とは異なる。
その違いとは、表面的に見える部分だけではなく“裏側にある意図や仕組み”を見ているということ。これが結果の差を生み出す。
以前、尊敬する方が「物事は裏側から見るといい」と言っていたことがある。
裏を見ると聞くと「なんかひねくれた考え方だな」と思うかもしれない。
これはひねくれた考え方ではなく“立場を変えてみる”という重要な考え方だ。この視点を持つだけで結果が大きく変わる。
過去に面接の本を何冊が出したことがある。その際、人事担当の人たちに取材した。そこで大きな発見があった。
面接に臨む場合、多くの人がやりがちなのは「自分の強みをどう伝えるか」ということ。
エントリーシートや履歴書に“志望動機と自己PR”を必死に考えて記入する。
そこにはめいっぱい自分の長所をアピールするもの。もちろん、それは間違いではない。
しかしながら、自分本位の視点で書かれた文章は“ジャッジする人(面接官)”に刺さらない。
これは実際の面接でも同様だ。自分の良さをめいっぱいアピールする。しかし、これも空振りに終わる。
その理由は面接というのは「自分をアピールする場」ではないから。
これは逆の立場になって考えるとよく分かる。こちらの意図を考えずに「私にはこんな経験がありましてね」と語りだす。
自分が面接官なら「そんなのはどうでもいいんだけどな」と思うだろう。
ある中途採用の面接で、一人の男性が「私は15個以上の資格を持っています。たとえば……」と話し出した。
面接官は「この採用では資格は関係ないのだけどな……」とうんざりしながら聞いている。
その男性は「うまくアピールできたぞ」と思ったかもしれない。
しかし結果は不合格。
そしてその男性は「なぜダメだったのだろう……」と首をかしげている。
身勝手なアピールをすればまず失敗に終わる。
だからこそ、最初にすべきは
「今回の採用でどんな人物を求めているか?」
「どんな基準でジャッジしているのか?」
を知ることである。
・会社が求める人物像
・どんな人が採用になっているのか
・現場が抱える課題なにか
などなど。
そこから逆算して自分の経験や強みを結びつける。こう考えると見える世界が一気に変わる。
面接では「自分をどう売り込むか」ではなく「相手が必要としている人物像とどうマッチさせるか」ということに注力を注ぐ。
こうなれば採用率は一気に高まる。
これは営業でも言えること。
多くの営業スタッフは「自社の商品やサービスをいかにうまく説明するか」と考える。
もしくは「どんなトークをすれば魅力的に聞こえるか」と工夫する。
だが、お客様が求めているのは「その会社の売り込みや商品の説明」ではない。
お客様は基本的に素人。
どんなに優れている商品でも、お客様には「他社と大差ないもの」と思えてしまう。
ここで大切なのは「お客様の視点」に立って考えること。
勝手にセールストークをする前に「お客様からはこの商品はどう見えているのか?」と考える。
これだけで見え方がガラッと変わってくる。
たとえば住宅営業の営業スタッフのトーク。
どのメーカーも「断熱性能が高い」「耐震性に優れている」「長期保証だ」とアピールする。
しかしお客様からすれば、各社の説明はほとんど同じに聞こえる。
真剣に聞いたとしても「どこも似たり寄ったりなんじゃないか」と感じるのもの。
このときに営業スタッフが熱を入れて「当社こそ一番優れています!」と言っても響かない。
そうではなく、お客様に対して「一見同じに見えますが、実はこの部分が違うんです」と伝えたらどうだろう?
同じに見えるということを肯定しながらも「ここだけは違うんです」と違いを示す。
この言い方だと、お客様は「なるほど、そういう違いあったのか」と納得する。
お客様に寄り添うトークが効いてくる。
さらに“お客様サイドから見る”視点を持つといい。
営業スタッフが「どうしても数字を上げたい」という自分の都合ではなく「お客様の立場だったらこうしてほしい」ということを理解しようする。
これでお客様との距離は一気に縮む。自然に信頼関係も構築していく。
このスタンスで接していれば「この人は売り込みではなく、私のことを考えてくれている」と伝わる。
お客様視点を持つと“伝えること、やること”が180度変わってくる。
これは営業活動にとって非常に大きい視点だ。
ここであなたにやって頂きたいことがある。
それは次の商談の前に、「このお客様は、私の商品やサービスをどう見ているだろうか?」と考えること。
そして「自分が買う立場だったらどういうことが知りたいか」と考える。
これだけで伝える内容がガラッと変わる。トークの内容も変わるし、アプローチの順番も変わる。
何より“相手の頭の中”を意識することで、営業そのものが変わる。
まずは実践していただきたい。
そしてこれが習慣化した時、契約数は一気に跳ね上がることになる。
■本日のポイント
・裏から見る視点を持つ
・次の商談でお客様の立場になって考え、進めてみる
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