インフラ欠陥を車が補う
もちろん、この仕組みが完全に機能するのはG2級スマート駐車場が整備された大都市が中心で、地方都市ではまだ半自動(G1)や人工(G0)が多数を占める。
しかしLiのAIは、半自動環境でもカメラでQRコードを読み取り、アリペイ決済が連携しているところでは、自動決済を行うなど、人の手を極力排除する工夫を重ねている。
都市インフラが整っていなくても、車側がそれを補う――この発想がLiの最大の特徴だ。
AI能力と決済の標準化
日本では駐車場運営が多数の民間企業に分散し、共通APIや決済プラットフォームが存在しない。
結果として、どのメーカーの車であっても「最後の支払い」は依然として手作業だ。
中国のように都市・通信・決済が一体化している環境が整えば、ようやく車が都市と対話しながら自律的に移動できる。
その意味で、LiのP2P構想は単なる便利機能ではなく、AIを最大限利活用して、規格化されていない都市そのもの、どのようなケースでも極力AIに処理させ、結果的に自動運転における完全シームレス化を図る、という試みでもある。
都市インフラが画一的に整備、アップグレードする可能性が小さい中国において、極めて妥当な現実解でもある。
運転能力ではなく降車不要化
今のところLi以外、ここまで徹底したシームレス化を実現している中国勢はない。
基本音声だけですべて完結するようなUI思想を一貫して保持、車内外センシング、理想くんとアリペイ決済との深い融合がこれらを実現させている。
今や自動運転の競争軸は、ハンドル操作の巧拙ではなく、人間が降りずに生活を完結できるかどうか。その未来を最も具体的に形にしているのが、Liだ。
出典: https://www.lixiang.com/news/136.html
※CHINA CASE(https://www.chinacase.xyz/)は株式会社NMSの商標です。
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