夜に一番「脂肪が燃えている」理由は?睡眠中の代謝メカニズムを現役医師が徹底解説

 

しかし、夜食として午後9時から10時にラーメンなどを食べたら、血糖値が上昇してしまいます。

そうすると夜間は上昇した血糖は脳でも筋肉でも使われないので、血糖を下げるため、インスリンが大量に分泌されて脂肪分解を邪魔します。

本来脂肪が燃えて、肝臓で糖新生する時間帯の夜中に、インスリンが血糖を中性脂肪に変えて脂肪細胞に蓄積する方向に向かいますので太りやすいのです。

スーパー糖質制限食なら、食事中も含めて常に脂肪が燃えていますが、空腹時間が連続して長いほど、よりしっかり燃えることになります。

糖新生も空腹時間中は、摂食時より多めに行われます。

例えば絶食療法(断食)の初期は、数日目で血中のケトン体が3000-4000μM/L(26-122)くらいに上昇します。

血中ケトン体が高値ということは、それだけ脂肪が燃えている証拠です。

絶食療法で一定期間が経過すると、血中のケトン体はあるていど下がって安定します。

2002年から2025年現在までスーパー糖質制限食実践中の私の早朝空腹時の血中ケトン体は、400-1200μM/mlくらいの範囲で経過しています。

この状態で絶食を続ければ、血中ケトン体は一旦3000-4000μM/mlになると思います。

要するに空腹時間(絶食時間)が長いほど、脂肪の分解は高まり血中ケトン体も上昇します。

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(財)高雄病院および(社)日本糖質制限医療推進協会 理事長。内科医。漢方医。京都大学医学部卒、同大胸部疾患研究所等を経て、1978年より医局長として高雄病院勤務。2000年理事長就任。高雄病院での豊富な症例をもとに、糖尿病治療、メタボ対策としての糖質制限食療法の体系を確立。自らも二型糖尿病であるために実践し、薬に頼らない進行防止、合併症予防に成功している。

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