三井住友信託銀行が狙う、NTTドコモの「死亡解約予備軍」という巨大市場

 

もうひとつ、三井住友信託銀行が狙うのがドコモが抱える「死亡解約予備軍」だ。

大山社長は「将来的には資産管理、承継領域にも取り組みたい。日本はいま超高齢社会、大相続時代に突入している。急な相続発生、将来の資産承継、資産凍結に備えている人は決して多くはない。そんななか、ドコモの通信サービスのお客様だけでも、お亡くなりに伴う手続きが年間数十万件規模もある。

そうしたお悩みの際に時間や場所を問わず、インターネットで気軽に相談でき、手続き代行や専門家への相談などのサービスを受けていただくなど、信託銀行として長年、培ってきた当社のノウハウをドコモが持つ、日常の接点やデジタル技術を活用し、身近にお届けしていきたい」と抱負を語った。

確かに、井伊基之前社長もずっと「死亡解約者が多くてつらい」とぼやいていた事があった。

NTTドコモの場合、長期契約ユーザーも多く、らくらくホンなどの影響もあって、平均年齢が高いのだろう。日本では直近で年間160万人が亡くなっており、シェアを考慮すると「NTTドコモで年間数十万人規模の死亡解約」というのもうなずける。

大山社長の話を聞いて「うちも、ドコモSMTBネット銀行経由で相談しておこうかしら」と思ってしまったほどだ。

近所に三井住友信託銀行の支店があるが、正直に言って、敷居はとても高く、行ってみようという気にもならなかった。

三井住友信託銀行として、いままでリーチできなかった層にドコモSMTBネット銀行経由で接点ができるとなれば、俄然、前のめりにもなるというわけだ。

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日経トレンディ編集記者として、ケータイやホテル、クルマ、ヒット商品を取材。2003年に独立後、ケータイ業界を中心に執筆活動を行う。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。日進月歩のケータイの世界だが、このメルマガ一誌に情報はすべて入っている。

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