会社の実力はどこに表れる?中小企業こそ、まずは「営業利益」を見よ!

 

中小企業の場合、営業利益率「5%~」を、まずは目指すべきかと思います。

業種を問いません。

売上高1億円なら、500万円以上の営業利益ですね。

これがひとつの目安だと思います。

上場企業ならこのくらい当たり前と言ってもよさそうですが、中小企業、とりわけ事業再生の局面に立たされている会社の多くは、営業利益率がとにかく低いのです。

私のところに相談に来られる会社のおよそ8割は、営業利益率が2%を切っています。それどころか、営業損失(営業利益ベースで赤字)もかなり多いのが実情です。

営業利益ベースで赤字ということは、本業で採算が取れていないことを意味します。

支払利息も税金も含んでいない利益ですから、これで黒字にならないようでは、きつい言い方をすれば、「事業として成り立っていない」という見方もあります(特に3期以上連続で営業赤字の場合は)。

極論すれば、経常利益や当期純利益はあまり気にしなくても構いません。

経常利益は、雑収入や支払利息などの要素が加わります。

補助金でゲットした収入によって、にわかに経常利益がハネ上がるようなこともあります。

あるいは、高金利で借りたり、手形割引に依存していたりすると、せっかく営業利益が黒字でも、吸い取られて赤字になったりもします。

これらは比較的容易に改善できる余地があります。

当期純利益は、過年度の繰越赤字の有無や、突発的に発生した利益や損失(家事で工場が焼けたとか、店舗を売却して利益が出たとか)を含みますので、経営体質とはまたちょっと異なるものになります。

そんなこんなで、とりわけ中小企業の場合、営業利益が最も大事という結論になると、私は昔から考えています。

ついでに言えば、M&Aの現場などにおいても、たとえどんなに黒字を出していても、その内訳が本業以外の助成金収入や固定資産除却益などによるものであれば、あまり高く評価されません。それよりも、本業で稼ぐ力(営業利益)のほうが重視されるのが普通です。

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事業再生コンサルタント。認定事業再生士(CTP)。特に倒産寸前の中小企業、零細企業、自営業の自力再生(のサポート)を最も得意としています。著書『震災後に倒産しない法』(サンマーク出版)、『借金なんかで死ぬな!』(朝日新聞出版)、『連帯保証人 なってみたらすごかった でもまだ手はある』(ワニブックスPLUS新書)、『ブラックリストなんて怖くない』(宝島社)、『働けません。』(三五館)ほか多数。1968年東京生。乙女座A型。趣味は自転車、魚釣り等。無類のネコ好き。

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