尹錫悦前大統領との接触
「ニュース打破」は裁判の核心証拠であり捜査の主要資料として活用されているこの文書を重点的に分析した。まず、統一教会を巡る疑惑の中でも核心とされる「政界関係者の管理およびロビー活動」の実態がこの文書にどのように現れているのかを公開する。
「TM特別報告」には尹前世界本部長が尹錫悦前大統領の当選直後、大統領職引継委員会の事務室を訪問した際の状況が詳しく記されている。2022年の大統領選後に作成されたとみられる報告には「Y予防」という表現が登場する。
「鍾路区通義洞、警備・警護がものすごい、4階建ての建物」「権性東最側近、すごい、すべてのスタッフが知っている、尹大統領がとても気楽そう」といった文言が併記されている。ここでいう「Y」とは尹錫悦を指す。尹錫悦当選人の大統領職引継委員会事務室は、当時、鍾路区通義洞にあった。
文書には、訪問時に交わされたとみられる会話内容も整理されている。「尹本(尹永浩前本部長)にある分野を任せる」「国家プロジェクトの提案」「今後議論しよう」「在任期間中にやろう」といった表現が見られる。これは、統一教会側が国家事業性格のプロジェクトを提案し、尹前大統領がこれを前向きに検討した可能性を示唆する部分である。
大統領室の龍山移転に関連する内容も報告書に含まれている。
「真のお母様の意向を伝えた。非常に喜んでいた」という文が記されており、これは2022年の大統領執務室・官邸の龍山移転決定の過程で、統一教会側が韓総裁の立場を尹前大統領側に伝えた可能性を示している。
統一教会側から1億ウォンの違法政治資金を受け取った容疑で拘束起訴され、現在裁判を受けている権性東議員を示唆する文言も登場する。
「お母様と権議員の面会」という表現でこれは尹前大統領当選後、権議員が京畿道加平の天正宮で韓鶴子総裁と会ったという特検の公訴状内容と一致する。尹錫悦の発言として記されたとみられる部分にも、権議員が登場する。
その文言は「私を時間が許すときに会いたい。権通じて、いつでも連絡しなさい」というものだ。また、権議員を暗示するキーワードもある。
特検の公訴状によると、尹前本部長は2022年1月5日、ソウル汝矣島の高級中華料理店で権議員に現金1億ウォンを渡したとされているが、2022年1月3日付の報告書には「権」という表現が含まれている。
一方で、統一教会側はこの報告書の作成時点そのものに強い疑問を呈している。
特に「権」というキーワードが登場する文書は2022年1月3日に作成されたものとは考えにくく、歪曲や捏造の可能性があると主張している。
統一教会は「ニュース打破」に送った書面声明で「報告書の作成日が『2022年1月3日』と記載されているが、本文には『2023年新年の挨拶』という表現が登場し、2022年11月以降の日本のメディア報道内容がそのまま引用されており、時点が合わない」と述べた。
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