●驚くべきスピードで進む米国の退化
フランスの皮肉屋の批評家エマニュエル・トッドが最近、仏「フィガロ」紙に対して語っていることが興味深い(クーリエ・ジャポン1月26日付)。
▼単に西側諸国の力が衰退しているだけではありません。現時点では、まだ穏やかな段階ではありますが、いま西側諸国で起きていることは、共産主義の崩壊に匹敵するものがあると私は感じています。
▼米国の退化が、私たちが思っている以上に猛スピードで進んでいます。米国の16~24歳の若者層で読み書きの能力が充分な水準に達していない人の割合は、2017年に17%だったのが今は25%になっています。米国は識字率の低い国になっているわけです。
▼貿易事情も悪化し、いまや米国は農産物でも貿易赤字なのです。製造業の復活も起きていません。
▼米国がベネズエラやグリーンランドでしていることを見れば、トランプが「生産」を諦めて「収奪」に軸足を移しているのです。
▼トランプが力にものを言わせて好き勝手にやっていると言う人もいるようです。しかし、実際にはトランプは、米国がロシアに軍事で負け、中国に経済で負けた事実を認めざるを得なくなり、その敗北の怒りを同盟国やいまも米国の勢力圏内にある国々にぶつけていると見るのが妥当です……。
ここでトッドが「いま西側諸国で起きていることは、共産主義の崩壊に匹敵するものがある」と言っていることに、私は強く同意する。本誌が冷戦終結当時から繰り返し述べてきた「そもそも論」を繰り返せばーー、
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