トランプこそが元凶?世界中の紛争を連鎖させ悲劇を増大させるアメリカの自己中心的な乱暴狼藉

 

「悲劇の数字」を無意識のうちに他人事に変えてしまう心理

どれに対しても「これは深刻だ。大変だ」という反応があったことと想像しますが、この“悲劇の数字”を目にしたり、耳にしたりして、落胆し「何か行動しなくては!」と強く感じて、すぐに行動に移そうと思ったでしょうか?

恐らく答えはNOだと思います。

しかし、そのNOという答えに対して「ひどい!」と非難したいのではありません。これが、私たちが直面する日常の現実だということです。

ニュースやインターネットでこのような悲劇の数字を目にしたり耳にしたりする私たちはともかく、私たちよりもはるかに詳細な情報を得て、“考え、行動する”機会を与えられているはずの人たちも、「ショックを受けた」と発言しつつも、これらの悲劇を止め、状況を改善するためにすぐに行動に移すのではなく、いろいろな言い訳を付けて“行動しない理由”を並べ立て、そして“だれかに責任を転嫁”することに終始し、その不毛な議論と責任の押し付け合いが行われているまさにその瞬間にも生命を失っている顔の見えない誰かを守るよりも、自分たちの面子を守ることに重点を置いています。

非常に皮肉に満ちた表現かと思いますが、これが“これらの悲劇の数字”が報告された際にミュンヘン安全保障会議の参加者が示した反応であり、そしてほぼ同時期に国連安全保障理事会で特別報告者たちの報告を受けた15か国の代表の反応です。

自戒を込めて申し上げるとすれば、残念ながら、その時、私も同じ反応をしていたと思います。

そのような反応になってしまう背後にはいくつかの理由があるものと考えますが、あえて共通の理由を考えるとすれば、それは「これらの紛争によって引き起こされていることは間違いなく悲劇であり、忌むべき行為であり、そして即時に止められなくてはならないものであることを誰もが頭では理解し、“何とかしなくては!”と感じるものの、同時にそれらの惨禍が自分や自分の家族、知り合いに直接降りかかっているわけではないため、どうしても自分事とは捉えられず、それが即時反応を阻み、無意識のうちに“他人ごと”に変えてしまうこと」なのではないかと考えます。

では私たちはどのような時に“自分事”として捉え、即座にアクションを起こすのでしょうか?

2022年2月にロシアに侵攻されたウクライナが、諦めてなすがままに運命を受け入れるのではなく、多大な犠牲を払ってでも自国のために、家族のために、そして押し付けられた不条理を許さないために立ちあがり、無謀と言われつつもロシアに立ち向かった結果、4年にわたってロシアを押し返し、今でも抵抗が続いています。

2023年10月7日のハマスによる同時奇襲攻撃を受け、1,000人を超える人たちが殺され、200人超が人質に取られたイスラエルによる苛烈な報復は、同じく自身と自国の生存がかかった自分事として捉えられた結果と言えるかと思いますが、自衛や報復を越えた“飢餓作戦”を含む人道的な危機の拡大と徹底的な破壊に加え、歴史的に燻ってきた反パレスチナと“神が与えた地”へのユダヤ人入植の急速な拡大が加わり、今ではパレスチナの存在を抹殺するような論調と動きまででてきています。

ただこれは本当にイスラエルの民意を踏まえたもので、かつイスラエル人にとって自分事だと感じたが故の行動かと言われれば、疑問が浮かびます。

確実に政治的な基盤と政治生命の危機に直面するネタニエフ首相が、自らの失態を逆手に取り、イスラエル人のためではなく、自身のために、つまり自分事として推し進めているのがガザ地区に対する容赦ない攻撃であり、長年の敵であるヒズボラの殲滅行動であり、そして安全保障上の危険分子と位置付けたイランへの正当性に欠けた軍事攻撃と革命防衛隊幹部の暗殺という蛮行につながっているように見えます。

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