ついに「IAEAの査察」を拒否したイラン
ここから、2023年のお話。『時事』2023年3月5日。
イランを訪問した国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は4日、ウィーンの空港で記者会見し、イラン中部フォルドゥの核施設で核兵器級に近い濃縮度83.7%のウラン粒子が検出された問題について「その水準の濃縮ウランは蓄積されていない」と述べた。
「核兵器開発には濃縮度90%以上が必要」とされている。イランは2023年3月時点で、濃縮度を83%まで上げていた。つまり、2023年内に核兵器を保有する可能性が高くなっていました。
そして、イランは2023年9月、IAEAの査察を拒否します。『日経新聞』2023年9月17日付。
国際原子力機関(IAEA)は16日の声明で、イランからIAEAの一部査察官の受け入れを拒否すると通告があったことを明らかにした。査察官はウラン濃縮などを検証している。グロッシ事務局長は「強く非難する」と述べ、査察に深刻な影響が出るとして再考を求めた。国際社会の懸念が一層強まるのは必至だ。
これは、普通に考えて「いよいよ核兵器保有が近づいている。そのことがバレないようにIAEAの査察を拒否している」と考えられるでしょう。
イランがIAEAの査察を拒否した翌2023年10月、イランの手下ハマスがイスラエルを先制攻撃。イスラエルvsハマスの戦争が始まりました。ハマスの後ろにはイランがいました。『朝日新聞DIGITAL』2023年10月9日付。
米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は8日、イスラム組織ハマスがイスラエルにしかけた大規模な攻撃はイランの関係者が準備段階から協力し、最終的なゴーサインを出したと報じた。ハマスと、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの幹部の話として伝えた。
WSJによると、イラン革命防衛隊のメンバーは8月から、パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するハマスと、イスラエルに向けた陸海空の侵攻について協議した。レバノンの首都ベイルートで革命防衛隊やハマス、ヒズボラらのメンバーによる会議が重ねられ、攻撃の詳細が計画されたという。最終決定の会合は2日にあったとしている。
2023年10月にはじまったイスラエルvsハマス戦争は、その後イスラエルvsハマス、レバノン・ヒズボラ、イエメン・フーシ派、イランの戦いに拡大していきました。結果、ハマスの拠点ガザ地区は、焼野原になってしまった。2025年6月、イスラエルとアメリカがイラン核施設を攻撃し、停戦が実現されました。
というわけで、イスラエル・アメリカがイランを攻撃する最大の理由は、【イランが核兵器を保有しようとしていること】です。
では、イスラエルとアメリカに核施設を破壊されたイランは、核兵器保有をあきらめたのでしょうか?これが、全然あきらめていないのです。
なぜ、そんなことがわかるのでしょうか?イランは、IAEAの査察を拒否しているからです。『共同』2025年11月21日。
イラン、核査察合意を正式破棄 欧米のIAEA決議に反発
イランのアラグチ外相は20日、イスラエルと米国が空爆した核関連施設への査察を再開するとした国際原子力機関(IAEA)との9月の基本合意について、正式に破棄すると表明した。
要するに、イランは「IAEAには協力しない」「査察はさせない」ということです。なぜ?普通に考えたら、【核兵器保有をあきらめていないから】となるでしょう。
イスラエルにとっては、イスラエルを認めない、滅ぼそうと考えているイランが核兵器をもつリスクは、変わらず残っている。トランプは、イスラエルに勝たせてもらったので、当然イスラエル側に立つのです。
イスラエルとトランプ・アメリカの目標は、【イランに核兵器保有を断念させること】です。もちろん、一番いいのは「交渉による解決」でしょう。アメリカとイランは3回交渉した。しかし、トランプは、「イランの目的は時間稼ぎだ」と判断して、今回の攻撃に踏み切ったのでしょう。









