「トランプがバカだから」ではない。米国にイラン空爆を決意させた“北朝鮮モデル”のトラウマ

 

アメリカの戦略は?

「北朝鮮モデル」は、アメリカのトラウマです。

アメリカは、1990年代から北朝鮮と交渉し、この国の核兵器保有を阻止しようとしてきました。しかし、北朝鮮は2003年に核拡散防止条約(NPT)から離脱。2006年に核実験に成功し、核保有国になりました。北朝鮮は、アメリカと国際社会にずっとウソをつきつづけてきたのです。

イラクのフセイン、リビアのカダフィ、ベネズエラのマドゥロの件は、世界の独裁者のトラウマになっています。一方で、「北朝鮮の核兵器保有を止められなかったこと」は、アメリカの大きなトラウマになっているのです。

そして、イランは、明らかに北朝鮮の成功を真似している。イランの真意を理解したトランプ・アメリカは、攻撃に踏み切ったのです。

もちろん、これは「国際法違反」です。これは「自衛戦争」でも「国連安保理で承認された戦争」でもありません。それでも、「トランプがバカだから」の一言ですませてはいけない【裏事情があること】を私たちは理解しておくべきでしょう。

トランプ・アメリカは、どこまで行く?

さて、トランプ・アメリカは、どこまで進むのでしょうか?

これまで書いてきたように、アメリカとイスラエルの目的は、「イランの核兵器保有計画を終わらせること」です。

イランは、「我々の核開発は平和目的だ」(=つまり原子力発電)と主張しています。しかし、過去に濃縮度を90%以上に上げた事実があるため、アメリカだけでなくIAEAも、「信用できない」ということでしょう。だからアメリカは、「核開発を完全に終わらせること」を要求します。

今回の攻撃で最高指導者ハメネイが折れれば、戦いはそこまででしょう。しかし、ハメネイが折れなければ、アメリカとイスラエルは、「体制転換」「親米傀儡政権樹立」を目指すでしょう。

その場合もトランプ・アメリカは、地上戦をともなうような全面戦争を避けるはずです(特定の軍事施設、核施設を狙った限定的な地上作戦はあるかもしれませんが)。ミサイル、空爆、ドローン攻撃が主体になるでしょう。そして、アメリカとイスラエルは、ハメネイ等政治指導者、軍指導者の殺害を第一に目指すはずです。

どうなるか、注視していきましょう。

(無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』2026年2月28日号より一部抜粋)

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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