「トランプがバカだから」ではない。米国にイラン空爆を決意させた“北朝鮮モデル”のトラウマ

 

イランの戦略は【〇〇〇モデル】

なぜイランは、ここまで圧力をかけられても、アメリカの要求に屈しないのでしょうか?

世界には、いろいろな独裁者がいます。イラクの独裁者フセインは、2003年からのイラク戦争で失脚。逮捕され、死刑になりました。

リビアの独裁者カダフィは2011年、欧米が支援する反体制派につかまり、惨殺されました。ちなみにカダフィは、核兵器開発を目指していましたが、欧米の圧力で断念し、一時和解していました。

ベネズエラの独裁者マドゥロは2026年1月、アメリカ軍に攻撃され、誘拐され、刑務所にぶち込まれました。

このように、反米の独裁者の未来は暗い。しかし、同じ独裁者でも、習近平、プーチン、金正恩は、生き残っています。

とはいえ、習近平・中国は経済でも軍事費でも世界2位の超大国ですから、イランの参考にはなりません。プーチン・ロシアは、資源超大国、食糧超大国であるばかりか、核兵器保有数でアメリカを超える核超大国です。だから、イランの参考になりません。

しかし、北朝鮮の金正恩は、参考になります。

殺されたフセイン、カダフィ、誘拐されたマドゥロとサバイバルしている金正恩は何が違うのでしょうか?そう、フセイン、カダフィ、マドゥロは、【核兵器を持っていなかった】。金正恩は、【核兵器を持っている】。【違いはこれだけ】です。

だからイランは、アメリカとの交渉をのらりくらりと引き延ばし、とりあえず【核兵器を一発】保有したい。これで、イランの勝利は確定します。

皆さん、2017年のことを覚えていますか?金正恩は、核実験を行い、ミサイル実験を狂ったように行っていました。トランプは、金正恩のことを、「チビデブロケットマン」と呼んでいた。アメリカと北朝鮮の関係は最悪になり、たくさんの人が「戦争は不可避だ」と考えた。

しかし、アメリカは、北朝鮮と戦争をしませんでした。それどころか、トランプは金正恩と3回も会い、「仲良し」になったのです。

これでイランは悟りました。「北朝鮮のように、アメリカをだまして時間を稼ぎ、核兵器を一発持ってしまえば、勝ちだ!」と。すると、北朝鮮を攻撃できないアメリカは、イランを攻撃することもできなくなるでしょう。

しかし、イランは、北朝鮮のように過酷な経済制裁を受けて、ボロボロになるのでは?国連としてイランに経済制裁を科すことは、できないでしょう。安保理常任理事国の中国とロシアが、拒否権を使って対イラン制裁をさせないからです。欧米の制裁はつづきますが、2018年からつづいていることです。

だからイランは、北朝鮮モデルで

  • 交渉を引き延ばし、こっそり核開発をつづけ、核兵器を保有する
  • それで、アメリカは、イランと戦争することができなくなる
  • 中国とロシアがイランを守るので、国連制裁はできない
  • 欧米の制裁はつづくが、イランは中国、ロシアとの経済関係を維持しながらサバイバルしていく

という戦略なのです。

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