日米安保「後」のプランBを考える
今週はここまでにしておきますが、以降、この論文に関する本格的な議論をするために、どんな留意点があるかを考えてみたいと思います。
a)米軍撤退に対する日本の「プランB」というのは常識的には、EUとの関係を強化し、韓国、フィリピン、ASEAN、豪州との連携も強化。自由、民主、法治を軸に集団安保的な結集をすることになるのが自然。
b)その場合にNPT(核拡散防止条約)体制の堅持は、極めて重要になるので日本の核武装はせず。反対に域内に新たな核保有国が出現するのも絶対に阻止。
c)第二次大戦の戦後秩序を根本から崩すのは得策でない。特に英仏豪とASEANとの関係は決定的に重要で、であるならば「靖国保守主義」はあきらめる必要。
d)統一朝鮮の出現は、統一の混乱を反日エネルギーに向けられると危険なので、不賛成が基本。
e)中ロ離反策は何としても必要。そのまま応用はできないにしても、キッシンジャーに学ぶべき。
f)経済衰退、人口減、移民政策行き詰まりというシナリオとの連立方程式になる。
g)仮に「プランC(対中国宥和)」があるなら、それは中国の権威主義の軟化を伴う必要。これはほぼ絶対条件。
h)カバナー論文で、どうやらアメリカ「保守」のホンネは透けて見えてきた。ならば、左派はどうか? DSA(民主的社会主義者=民主党左派)が持っている左派的な反戦論とか反軍事の態度をどう評価したらいいのか? どんなアジア戦略になっていくのか?
いずれにしても、これまで避けてきた「プランB」、つまり日米安保体制「後」の生存戦略に関する議論を本格的に進めていかなくてはならない時代が来た、今回のカバナー論文については、そのように受け止める必要を感じています。
※本記事は有料メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』2026年9月15日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。今週の論点「911追悼行事が示す25年の歳月」、人気連載「フラッシュバック81」もすぐに読めます。
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