単なる営業スタッフから「一生の相談相手」へ。お客様の本音を引き出す「ヒアリング術」

 

解決策の一つは「他のお客様の事例」を提示すること。

たとえば、賃貸に住んでいるお客様なら「私の担当のお客様が『家賃の更新手続きの金額を見て急に嫌になった』と言っていました。いかがでしょうか?」と問いかける。

もしくは「先日、引き渡ししたお客様が『きっかけはお友達が家を建てたから』と言っていました。そう感じた経験はありますか?」

このように、過去の事例をいくつか具体的に伝えてみる。

するとお客様が「そうそう、実は……」といろいろ思い出すことがある。

30代のご夫婦と話をしていた時のこと。

先ほどの質問をすると「隣の方が引っ越すことになって、最初は転勤かと思ったんです。そしたら新築を建てて引っ越したと知って『えっ、あの人が家を建てたの?』と驚いたんですよ」と話してくれた。

自分より考えてなさそうな人に先を越される。

これはいいきっけかになるものだ。

人の記憶はあいまい。

何かきっかけを聞いて「そうそう、こんなことがあったんだ」と思い出すもの。

「過去のお客様事例」という具体的なエピソードを投げかける。

一つの質問が呼び水となり、頭の奥底に眠っていた動機が引き出される。

これはぜひマスターして頂きたい。

この「事例を使って記憶を引き出すアプローチ」にはメリットが3つある。

一つ目は「きっかけを思い出させてくれた」と感謝されるということ。

忘れかけていた本当の動機を思い出させてくれた営業スタッフ。

人はそういう相手に、無意識のうちに好意を抱く。

これは経験がある。

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