トランプ「中間選挙前にイランを攻撃しない」の自縄自縛。敵に自由を与えてしまう“期限を切った約束”の副作用

 

1.撃ち抜かれた王国の玄関-フーシ派のサウジ攻撃と守りの限界

前号で私は、イラン戦争が「二つの海峡」をめぐる戦いに広がったとお伝えしました。

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この1週間で、その二つ目の海峡、バベルマンデブ海峡の側から放たれた矢は、サウジアラビアの心臓部に届きました。

【1-1.1週間に重なった空港攻撃】

サウジ当局の発表と各社の報道をもとに整理すると、次のとおりです。攻撃の主体や個々の被害がどこまで確認されているかは、発表の時点と情報源によって異なります。

  • 10月6日:南西部のアブハ空港が攻撃され、モロッコ人とアルジェリア人の女性2人が死亡しました。
  • 10月7日:リヤドのキング・ハーリド国際空港が攻撃され、スーダン人1人が死亡し、民間航空庁は6日と7日の2件で計36人が負傷したと発表しました。
  • 10月8日:リヤド空港の施設とサウディア航空機が攻撃され、民間航空庁は機長を含むサウジ人3人が死亡したと発表しました。
  • 10月10日:同空港のターミナルへの攻撃で12人が死亡、309人が負傷したと当局が発表し、負傷者のうちインド人1人が翌11日に亡くなって、この攻撃による死者は13人になりました。
  • 10月11日:同空港のターミナルが別の攻撃を受け、当局はパキスタン出身の住民1人が死亡、11人が負傷したと発表し、同じ日には東部ダンマンのキング・ファハド国際空港も攻撃されたと報じられました。

記事ごとの死者の数を足し合わせると、同じ犠牲者を重ねて数えるおそれがあります。7日の1人、8日の3人、10日の13人、11日の1人を合わせると18人となり、ロイター通信やUAEの英字紙ハリージ・タイムズが伝える1週間の死者数と一致しますが、10日の死者を12人とする発表もあり、個々の数字には報道によって差があります。サウジ政府は累計の数字を公表しておらず、全体の死者数はなお確定していません。

フーシ派のサリー報道官は11日、10日の攻撃を認めたうえで、「最悪の事態はこれからだ」と述べました。フーシ派は、10月5日の時点で、メッカとメディナの上空を除くサウジの領空全体を「軍事作戦の地域」とすると宣言しており、11日にもこれを繰り返しています。

これを受けて、ルフトハンザ航空は16日まで、エールフランスとKLMは24日までリヤドへの運航を取りやめ、キャセイパシフィック航空は2027年1月末まで運休すると伝えられています。英国、フランス、ドイツは、渡航への警告を出しました。

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