【来週の相場】注目は新興軽量級株や低位株、直近IPOやバイオ関連な

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『プロの視点。今、乗るべき銘柄が見えてくる。』より

今週の株式相場は、外部要因の変化で一喜一憂する展開となった先週の流れから、良好な外部要因のもと月曜日は買いが優勢。外部要因軟化で火曜日には売りが先行するも下げ渋り、水曜日も買い優勢の展開から、木曜日、金曜日と買い気を強めており、好調ぶりが目立っています。

日経平均株価は、先週末の1万7900円台から、月曜日に大台1万8000円を奪回。火曜日に1万7900円台まで戻したあと、水曜日には1万8200円台を達成。木曜日には1万8300円台を付け、2007年2月高値を奪回して14年9ヵ月ぶりの高値に到達すると、金曜日も1万8300円台を固めるなど、着実に水準を切り上げてきました。

【日経平均株価チャート 2015年2月20日終値】

【日経平均株価チャート 2015年2月20日終値】

先週は決算シーズン通過とともに買い安心感が高まるも祝日休場にギリシャ問題を抱えるなか、日替わりで一喜一憂する展開になっていましたが、今週は米国株高、ユーロ上昇と良好な外部要因のもと月曜日は買い優勢の展開。日経平均株価の大台1万8000円奪回と昨年来高値を更新しました。月曜日は米国市場が休場でしたが、ギリシャ情勢の先行き不透明感からユーロが下落、火曜日は利益確定売りが先行して日経平均株価は反落しましたが、TOPIXは続伸。内需系業種の物色も追い風となり、順調に上値を切り上げています。

ギリシャ債務問題進展期待、日銀金融政策決定会合の金融政策イベントをこなし、水曜日は再び買い優勢の展開。前営業日にも確認された内需系業種や決算売りに押されていた日立、マツダなど決算銘柄の反対売買も相場を押し上げていました。

FOMC議事録での緩和継続期待を背景に上値を追う展開となった木曜日には、前述のとおり日経平均株価は2007年2月高値を奪回。14年9ヵ月ぶりの高値に到達するなど、新値追いを強める格好。バブル時の1989年末最高値3万8957.44円から、1996年の高値2万2750円、ITバブルの2000年の高値2万0833円、そして2007年2月高値1万8300円を結ぶ、バブル以降の「長期上値切り下げ」が終焉に向かっています。

金曜日はFRBによる利上げ観測の根強いドルが底堅く、円安推移から外需関連株を牽引役に東京株式市場は買い優勢の展開。株価指数は連日の昨年来高値更新、上値追いが確認されました。木曜までの日経平均の上昇は時価総額上位のメガバンクなどの金融株を中心とした上昇でしたが、金曜にはメガバンクが利益確定売りで一服するも、トヨタ、日立、富士重工業ら外需関連株がドル堅調でしっかりとなるなど、良い資金循環が効いているといえるでしょう。

もう一方の株価指数のTOPIXも続伸。時価総額上位のメガバンクの反落をこなし、大台1,500ポイントに乗せてきました。日経平均株価とTOPIXの株価指数比較においても、出遅れ感のある内需系業種への資金シフトが見られることから、日経平均株価の高値更新で物色の裾野の広がりが進むとともに、次第に出遅れ銘柄や低位株などの修正高も働いています。

ただし、売買代金上位で目立ったのはジャパンディスプレイなどの材料株、ALBERTなど直近IPO銘柄が短期売買の対象として名を連ねました。新興市場でもインバウンド消費関連に名乗りを挙げたプロルート丸光が人気化するなど、短期資金の行き先に注目が集まっています。

そこで、株価指数にも高値警戒感が高まっており、出遅れ内需系業種に資金が向かうなか、来週は新興軽量級株や低位株、直近IPOやバイオ関連など、市場参加者の物色意欲の高い状況のもとで思惑先行の動きとなりやすい銘柄に注目してみてください。

株式市場で資金循環が効いている状況では、相対的に出遅れている銘柄に注目が集まりやすく、特に低位材料株や直近IPO銘柄などに資金が集中する場面も予想されます。ギリシャ支援プログラム問題が大詰めを迎えるなか、来週はイエレンFRB議長、ECBのドラギ議長の議会証言などもあり、指数の上値を抑える局面があるかもしれません。そのようなときに思惑先行の動きとなれば、値動きを重視した短期資金集中の見込まれる物色対象の活躍期待も一層高まることになるでしょう。

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『プロの視点。今、乗るべき銘柄が見えてくる。』
証券ディーラーとして20年以上、株式相場で果実を手にし続けた独自理論が相場の流れを分析。今、乗るべき銘柄が見えてきます。
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