今回の「3分間書評」で取り上げるのは、今後20年で「消える職業」「生まれる仕事」を大胆予測した一冊。これから就職や転職を考えている方はもちろん、魅力的な投資先を探している方も必読の書かも?
『あと20年でなくなる50の仕事』水野操・著 青春出版社
こんにちは、土井英司です。
まだ駆け出しのライターだった24歳の頃、雑誌の世界では、ポジフィルムで写真を、フロッピーディスクで原稿を入稿していました。
当時は、でき上がったポジフィルムをルーベで拡大して選別し、フィルムを切り出し、ダーマトと呼ばれる赤鉛筆を使って指示を書き込むのがライターや編集者の仕事の一部でした。
写真のできが著しく悪い場合は、「再撮」といって、カメラマンに再度撮影に行ってもらうこともありました。
現在は、プロのカメラマンがデジカメで写真を撮って、その場で仕上がりを確認し、フォトショップで修正して、そのまま入稿する時代。ライターさんも、原稿は当然デジタルで入稿しています。入稿プロセスは著しく簡素化され、修正作業も随分ラクになりました。
わずか16年の間に、職業の内容や必然性が大きく変わるのを見てきたわけですが、このような変化は、今後も起こるものと思われます。
そう、場合によっては、あなたの現在の仕事、子どもたちの夢の仕事がなくなることもあるのです。
本日ご紹介する一冊は、今後20年で「消える職業」「生まれる仕事」を、テクノロジーに詳しい著者が大胆予測した一冊。
オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授が書いた話題の論文「雇用の未来――コンピューター化によって仕事は失われるのか」をベースに、今後起こりうる変化と、それによって失われる職業、縮小する作業、生まれてくる仕事に言及しています。
なかでも、職業が変容する要素として一番に挙げられているのが、テクノロジーの進歩、特にAI(人工知能)の進歩です。
本書では、このAIが人間を超える可能性、さまざまな職業の主要部分を担う可能性について言及しており、それによって影響を受ける職業についても、はっきりと触れています。