中国による「領海侵入」により緊迫度を増す尖閣諸島周辺海域。日本政府の連日の抗議にもかかわらず、中国サイドは挑発行為をエスカレートさせる一方という状況です。無料メルマガ『日本の情報・戦略を考えるアメリカ通信』の著者で戦略学者の奥山真司さんは、「中国側の動きを抑止することは無理だろう」という悲観的な見方をしつつ、一つだけ強力な抑制効果となる可能性があるという「ある行動」を提示しています。
尖閣で日本がとるべき戦術を「孫子」的にクリエイティブに考えてみた
おくやまです。東シナ海の尖閣沖で、中国が日本に大きなプレッシャーを与えてきていることは、みなさんもすでにご存知だと思います。
尖閣周辺に約230隻の中国漁船、武装した海警船も
2016年8月6日 17:34 JST
[東京 6日 ロイター] – 外務省は6日、東シナ海の尖閣諸島(中国名:魚釣島)の接続水域で中国の漁船約230隻と海警局の船6隻を確認し、中国側に抗議したと発表した。これほどの多くの中国漁船が同接続水域に入るのは異例。海警局の船のうち、3隻は武装しているという。
外務省のアジア大洋州局長は同日午前、在日中国大使館の公使に対し、領海内に入らず、接続水域からも退去するよう求めた。さらに、一方的に緊張を高める行為だとして強く抗議した。
これについて、軍事的に対決姿勢を徹底的に見せるというものから、一緒に酒を飲み交わすまで(?)、日本側にとっては様々なオプションがあるという意見があるでしょう。しかし、現実的に考えてみると、日本政府ができることといえば、残念ながら「外交チャンネルを通じて抗議する」ということくらいでしょうか。
実際に上の記事でもわかるように、日本政府はとりあえず抗議はしているみたいですが、本気で尖閣をとりにきている相手には、これもほとんど意味をなさないでしょう。