突然ですが、「熊」という漢字の部首、皆さんご存知でしょうか? 無料メルマガ『1日1粒!「幸せのタネ」』には、あまり耳にすることのないその名称と、なぜこの部首が「熊」に使われているのかが記されています。日本人の歴史が垣間見える「豆知識」ですよ。
漢字に隠れた意外な歴史
クマに襲われる被害が各地であいついでいるようです。
冬眠の季節が近づき、クマは大量の食料を必要としています。ところが、クマの住むエリアで食料が不足していると、食べ物を求めて人が住む里にやってきます。そこで人と出会ってしまう…。
クマに襲われる恐怖は想像を絶しますが、クマにとっても不幸な話です。人間と野生動物の共生を考えた時、人間側がクマを避ける方法を考えたいところです。
さて、この「クマ」ですが、漢字では「熊」と書きます。部首は「烈火(れっか)」と言われる、漢字の下の部分にある四つの点です。これは「炎」が簡略化されてこの形になったものです。
点 烈 焦 照
なども同じ仲間です。でも、なぜ「熊」に「火」が関係するのでしょう?
いろいろな説があるようですが、『漢和大辞典』(学研)によれば、火の精と考えられていたことに由来するようです。クマの油はとてもよく燃えるので…、ということも関係するようです。
クマは古来から食用とされてきました。主に北海道から中部エリアまでですが、冬に収入源が激減する東北エリアの人たちにとっては、クマを捕獲するのは生命線とも言えました。特に「熊の胆」などは万能薬ということで高値で取引されました。
クマの肉の脂肪分は融点が低く、旨味も強いそうです。そういった特徴が「燃えやすい」というところにつながるのかもしれません。
漢字の中に人の歴史が垣間見えますね。
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