「コーヒーは複数形にしてもいいんだっけ?」。学生時代に習ったはずなのに、イマイチわからないのが英語の「可算名詞」と「不可算名詞」。英語のスペシャリストで、無料メルマガ「カリスマ英語ナレーターユッキーがお届けする!週間ラジオ英会話♪」の著者ユッキーさんに、可算名詞と不可算名詞をマスターするコツを教えていただきました。
「可算名詞」と「不可算名詞」の話
こんにちは!ユッキーです。
今日は「可算名詞」VS「不可算名詞」のお話ですが、こんな風に感じたこと、ありませんか?
- この英単語は数えられる単語なのか、そうでないのか?
- 複数形のsは付くのか付かないのか?
- 辞書には「可算」、「不可算」両方載ってるし、複数形になった場合のスペルも書かれている。でもフレーズになると複数形はあまり見かけないのは一体なぜ?
- どうやって使い分けてるの?
このあたりの疑問に対して、「ステーキ」のフレーズを使いながら詳しく説明したいと思います。
Steak(ステーキ)は可算名詞? 不可算名詞? → 答えは両方!
steakは可算名詞でもあり、不可算名詞でもあるんです。
…とステーキだけがあたかも特別であるかのような書き方をしてしまいましたが、実はほとんどの英単語が可算名詞・不可算名詞両方の使い方を持っています。
だから混乱してしまうんですよね。
「では、一体どんな時が可算で不可算なの?」
「どうやって話せば、自然に聞こえるの?」
ネイティブスピーカーと同じ感覚を身につけるため、5つのSteak(ステーキ)を使ったフレーズを紹介します。
1. I’m going to buy steak.→【不可算】
(訳:私はステーキを買います)
例えばこんな場面。
「今日何食べる〜?」
「あ!ステーキ食べたい。私買いに行くわ!どんなお肉にしようかなぁ…?」
「牛肉?豚肉?国産? 輸入物でもいいかも」
「何グラムくらい買おうかな…」
「パーティーにしようかしら」
「何人くらい来るだろう?」
「いや、私一人の分でいい?」
具体的なことはまだ何もイメージしていない状態のときに、このフレーズを使います。
2. I’m going to get myself a steak.→【可算】
(訳:私はステーキを買いに行きます)
例えばこんな場面。
「あ〜なんだか今日はステーキな気分。一人でワイン片手にステーキ食べるのってなんか贅沢な感じで至福の時」
“a steak”は、どのくらいの量のステーキを買いに行くのか、どんなステーキなのか。
ステーキを「固体」としてかなり具体的にイメージしている状態です。
モノとして、形として捉えている
頭のなかでイメージを掴んでいる場合は「可算名詞」として扱います。
3. Steak is often cooked on a barbecue.→【不可算】
(訳:ステーキはよくバーベキューで食べられます)
例えばこんな場面です。
「バーベキューといえば肉だよね!」
…うん。もちろん、バーベキューといえばお肉は欠かせません。
でもいざ買い出しとなると
- どんなお肉を買うのか
- どこで買うのか
- ちょっと変わった珍しいお肉も食べたいよね!
といったように選択肢がたくさんありますよね。
Steak is often cooked on a barbecue. は「やっぱりお肉でしょ!」とかなり漠然としたイメージで「ステーキ」という言葉を口にしている状況です。
可算名詞の時のようにモノとしての具体的な形は持っておらず、カタチを持っていないもや、ぼけっとしたイメージです。
4. He doesn’t like steak.→【不可算】
(訳:彼はステーキが嫌いです)
例えばこんな場面です。
「彼ね、ステーキ嫌いなのよ。お肉食べてるところは見たことあるんだけどステーキになると特に魅力を感じないらしいよ。美味しいのにね、ステーキ・・・」
そんなステーキが嫌い(苦手)なのかまではわかっていないけれど、とにかくステーキはダメなんだってさ。
3のフレーズ同様に、具体的な形は持たず、ぼやっとイメージしている状況です。
5. I had a steak last night that was wonderful.→【可算】
(訳:昨夜ステーキを食べましたがとても美味しかったです)
例えばこんな場面です。
「昨日食べたステーキがもうそれはそれは幸せすぎて、美味しかった〜。あんなお肉食べたことないよ!」
美味しすぎたステーキの味、場の雰囲気。
かなり具体的に形を持ってイメージできている状況です。
オマケ1 コーヒーの場合
こんな表を見つけたので貼ってみました。
image by: English Practice Online
【食べ物:可算名詞と不可算名詞】
可算名詞(countable)
ハンバーガー、ぶどう、チェリー、スイカ、ニンジン、リンゴ など
不可算名詞(uncountable)
ご飯(お米)、お金、ハチミツ、チーズ、パスタ、牛乳、パン など
可算名詞と不可算名詞の分け方=カタチを持っているか、いないか
ステーキの例も見ていただいたので何となくイメージがつかめたでしょうか?
2つの違いは「モノとしての具体的な形を持っているかいないか」にあります。
カタチがあるもの、具体的にイメージできるもの→可算
限定されず、漠然とぼやっとしているもの→不可算
として使われます。
ステーキ以外でもみてみましょう。
コーヒー 【可算名詞】
Two coffees, please.
(訳:コーヒー2杯ください)
この場合は、可算名詞。
“コーヒー” という言葉を頭のなかに思い浮かべた時、一杯、二杯…。
紙コップに入ったコーヒー、マグカップのコーヒー。
といったように具体的なカタチを持ったコーヒーを思い浮かべている時は可算名詞として複数形になることがあるのです。
コーヒー 【不可算名詞】
「私、コーヒー好きなんですよ」
「あ〜、疲れた!コーヒー飲みたい!」
こういった場合はコーヒーが具体的なカタチを持っていないので、やっぱり不可算名詞。
coffeesと複数形になることはありません。
オマケ2 パンとチーズのお話
カタチを持っていないものが不可算名詞なら、パンとチーズはカタチがあるから可算じゃないの?
こう思われた方も多いと思います。(最初私も思いました!)
ですがパンとチーズは生成する型によってカタチが変わってしまうので、カタチを持っていない不可算名詞というのが英語の考え方です。
aが付く時、複数形になる時、何も付かない時。
違いに迷いそうになったら「カタチが具体的にイメージされているかどうか」という基準を思い出してみてください♪
「ん〜!」と文字とにらめっこしていたものがイメージから入ると、スッと楽しく紐解けるかもしれません。
記事提供:「ユッキー先生のえいごの時間」(公式ブログ)
image by: Shutterstock
「カリスマ英語ナレーターユッキーがお届けする!週間ラジオ英会話♪」
著者/ユッキー
英語教材プロデューサー、ナレーター、英語解説者。留学なしで日本にいながら磨ける英語、楽しめる英語を日々探求中。すぐに使える英会話フレーズから話題の英語学習法まで、日本人が日本で学べる英語を“聴いているだけで癒される”音声や動画でお届けします。公式ブログ「ユッキー先生のえいごの時間」にて、英語の学習方法などのコンテンツを配信中。