読者からのさまざまな質問に回答してくれる、メルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』の著者で人気コンサルの永江一石さん。今回は、子どもを対象にした田舎体験ビジネスの可能性についての相談が寄せられました。永江さんによれば成功のカギは、子どもを預かる家庭選びと田舎選びにあるようで、具体的にアドバイスを送っています。
田舎体験ビジネスの可能性を探る
Q.
私は九州の田舎の出身です。私は東京に住んでいますが、田舎でのビジネス(田舎の衰退を止める側面もあるもの)を何かできないか考えています。そこで以下のアイデアを考えました。
【田舎(自然)体験合宿】
対象:田舎を持っていない家庭(の子ども)。両親共に関東圏出身で、田舎がない。仕事が忙しく、子どもをどこかへ連れていけない家庭。
期間:夏休み等の長期休暇内の一週間程度。
内容:親元を離れ集団生活をしながら、キャンプや釣りなどの自然遊び、農業体験、歴史探訪等の学び分野などを体験。
料金:高所得層をターゲットにし、安くない料金設定にしたい。(子どもの質をあげるため)
永江一石さんからの回答
これって実は既にやっているところが多くて、わたしの周りでも子どもたちが学校のサマーキャンプのようなイベントで沖縄の離島に約1週間泊まりに行っていました。学校側もキャンプの道具を一から揃えたり、滞在中の手配を全部するのが非常に大変なので、業務委託する専門の事業者さんがいて、滞在先をコーディネートしてくれるわけです。
なので、特に私立の学校などに営業かけるのが良く、仕事は取れると思います。ただ問題なのは、滞在先の人選ですね。万が一にも事件があってはいけないので、宿泊先の審査はかなり慎重に行わないといけません。男性だけの家とかはもちろん不可で、夫婦揃っていることは大前提でしょう。日中に子どもを一人にするわけにもいかないので、お兄ちゃんやお姉ちゃんがいるご家族が良いです。
またまともな家であっても、一日に数千円の謝礼で子どもたちのご飯を作ってお風呂に入れて洗濯までしてくれるなど負担は大きいので、お金のためではなく本当に子どもが好きで進んで面倒を見てくれる家庭であることが必須です。
協力してくれる家庭を探しやすくするためにも、プログラムは滞在先に負担がない方が良く、子どもたちは自由に虫捕りしたり川で泳ぐなど好き勝手に遊んでもらうのがベストです。農業体験なんてやると農家さんは一日仕事を止めなきゃいけないので大打撃になってしまいます。
そうすると、放っておいても子どもが自分で遊んで楽しめるくらいの自然が必要なので、東京の郊外と変わらない地方の市街地ではなく、山奥や離島など結構なレベルの田舎が良いでしょう。東北や北海道は人が閉鎖的でよそ者はいじめられたりするリスクもあるので、人懐っこい人が多い九州や沖縄などが良いと思います。あくまで個人の偏見です。w
例えば沖縄の離島や九州の沿岸部のど田舎で、ご夫婦揃っていて夏休み中にはお姉ちゃんやお兄ちゃんもいる甲斐甲斐しくて明るいご家庭を見つけて、釣りをしたり海に潜ったり島や浜辺を探検して一週間過ごす、といった田舎体験合宿などは良いのではないかと思います。
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