SNSなどの媒体で宣伝をすることが手軽になった現在ですが、その反面、炎上などで簡単に信用を損ねることも多々見られます。そんな中、「広告や宣伝の目的を履き違えている経営者がいる」と語るのは、無料メルマガ『ビジネス真実践』の著者で人気コンサルタントの中久保浩平さん。果たして、広告や宣伝の真の目的とは何か?その答えについて明確に語っています。
広告・宣伝の目的は?
広告や宣伝方法などの相談を受けたときに、「広告や宣伝をする目的ってなんですか?」と、尋ねるとほとんどの方が「そりゃぁ、宣伝して売上あげるためですよ」「お客さんに多く来てもらうためです」と応えます。つまり、広告や宣伝は売上のために行うものだと考えているのです。
「え!違うの?」と思うことでしょう。
確かに広告を出せば費用対効果で売上・増客が見込めたりすることはできます。ですが、目的を「それ」ばかりにあわせていると、広告をしないと売上が立てられない、広告や宣伝をしないとお客さんの入りを見込めない、といったような自力の無い会社、お店へと退化していきます。
広告は、売上やお客さんを集めるために行うものであるというだけで考えでいると、売上向上=広告という思考や発想ばかりで、売上やお客さんの入りが悪ければ「広告に問題がある。」となり、真に改善すべきことに意識が向かなくなってしまいます。それどころかキャッチコピーのテクニックとかばかりが気になって余計に分けのわからない方向へ走り出してしまいます。
で、「効果のある広告媒体はなにか?」「効果のある広告・宣伝の打ち出し方は?」といったように「効果、効果」ばかりに意識が行くようになり、次から次へと試しては失敗し、の繰り返し。一向に広告効果という呪縛から抜け出せなくなるのです。私自身も含め、そういう会社やお店をこれまでにたくさん目の当たりにしてきました。
では逆に広告によってほんとに効果を上げている会社やお店はどうなのか?そいう会社やお店の責任者に尋ねると、「広告は売上を上げたり、お客さんを呼び込むためだけに使うものではありません。もちろん、結果的には売上が上がったり、お客様が増えたりしますが、それが目的ではありません」と応えてくれます。そして、そういう会社やお店ほど効果のある広告を打ち出しているのです。
以前、某企業のマーケティングのサポートをさせて頂いたころ、媒体に対する考え、取り組み全てにおいて、一貫して「広告、宣伝は売上アップのためではない」を守って取り組んでいました。そして、その結果、絶大なる効果を上げていました。
松下幸之助さんは、著書『実践経営哲学』の中で「宣伝広告、広報活動は企業の姿勢や考え、製品などについて世間の人へ正しく知ってもらうために行うものである」と語っています。広告や宣伝をするには、まさにこうした考えというのが必要なようです。
現代では、インスタ、facebook、YouTube、LINEなどのSNSで簡単に誰でも利用出来る媒体が多岐に渡ります。広告、宣伝を売上目的のために活用しているだけでは簡単に利用できる分、信頼、信用も簡単に損ねることになりかねません。それがわかっていても、「やっぱり、広告は売上アップのためにやります。増客のためにやります。」では、本来ビジネスで必要な自力が付くのは、難しいでしょう。
広告や宣伝の目的はなんのためにあるのか?この機会に改めて、よーく考えてみてはいかがでしょう。考えを明確にしておかない限り、より一層の会社やお店、あるいは商品・サービスの発展や成長というものは望めません。
■今日のまとめ
「広告や宣伝は何のためのか?明確にする」
- 広告や宣伝は何のためにするものか?その目的を考えノートにまとめる
- 自社の広告を見て、上記で書き出した考えにマッチしているものか?チェックする
- 広告に頼らない会社、お店作りをするための献策を考えノートにまとめる
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