常に親が付き添い、充分な愛情と教育を与えられているように見えるものの、「親の意向だけを強要」されている子…。周囲からそういった「いびつな親子関係」は、往々にして気がつかれにくいものです。今回の無料メルマガ『東北NO1メンタルトレーナーが送る『自信をはぐくむ、幸せな自分のなり方』』では著者で心理カウンセラーの吉田こうじさんが、そんな親に育てられ人間不信に陥った人が、仕事や恋愛で嵌まりやすい呪縛から抜け出すヒントを記しています。
親に愛を搾取され続ける「親子の役割逆転」の環境で育ってしまった人へ
子供に対して親が先回りして色々なことに介入してくる。これらは、いわゆる親心…、言い換えるなら「愛」から来るものならいいのですが、親子関係が逆転していることに全く気づいていない親は、自分では「親心」として接しているつもりかもしれませんが、実は子供に「毒」を浴びせていたりするんです。
例えばそういう親は、子供に特定の反応を期待します。感謝、尊敬、賞賛、従順…それこそ「愛」…。で、子供がその期待に応える反応をするとすごく親は喜ぶし、期待に応えないといきなり怒ったり、スネたりするんです。
なので、そういう親に育てられると人の顔色を伺わずにはいられなくなる…。本来なら無条件の愛をたっぷりもらえる時期に、逆に愛を親に搾取され続けてしまうわけです。これは本当に悲惨です…。
さらに悩ましいのは、そうやって親に愛を搾取されているのが傍目にはなかなかわかりづらいところです。というのも、はたから見たら親は子供にあれやこれやと構ってますから、「ああ、いい親子だな~」くらいに見えちゃうんです。実態は親子の役割が逆転しているんですけどね…。
こんなふうに、なかなか他人からはわからないので、余計に子供は孤独感を感じるし、心の深い部分に「人間不信」とか「社会不信」みたいなものを握りしめたりしちゃう…。
それと悩ましいのがもう一つ。それは、幼い頃からそうやって愛を奪われることに慣れてしまうと、大人になってもそういう恋愛関係を無条件に受け入れてしまう…。愛を奪い傷つけるような人を無意識に引き寄せてしまう…。なので余計に人間不信、社会不信がつのるようになります。
人間不信だったり社会不信であれば、そりゃあ人一倍、周りの顔色を気にするようになりますよねってことです。
こうして親子の役割が逆転した環境で育ってくる過程では、人間不信や社会不信を心の中に隠し持ってしまう他に、「愛を与えてもらえないことへの強烈な欲求不満という怒り、恨み」も、心に蓄積しちゃいます。この怒りが外に向けられると、なりふり構わずヒステリー状態でキレる人になるかもしれませんし、この怒りが内側に向けられると、鬱になるかもしれません。
それくらい、親子逆転した状態って後々までずっと糸を引くことが多いです。
じゃあ、そういう親子関係で育ってしまった人はどうすればいいのでしょうか?大人になっても他人の顔色ばかり伺って人生が生きづらいって人はどうすればいいのでしょうか?
それは…まずは、そんな環境でも生き抜いてきた自分をとにかく労ってあげること。いっぱいいっぱい労ってあげること。そして、人の期待に応えようとして頑張ることや、頑張っても認めてくれない時に自分責めをやめること。まずは、何はなくてこの3つを頑張って毎日練習しましょう。
この3つがある程度できるようになってから、自分の価値観を明確にするなど、次のステップに移るといいと思いますよ~。
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