依然として猛威をふるう新型コロナウイルス。感染防止策のひとつとして効果が期待されている「マスク」だが、各国で品薄状態が続いている。現在、世界では熾烈な「マスク争奪戦」が繰り広げられており、アメリカはドイツやフランスのマスクを、イタリアはドイツのマスクを、ドイツはスイスのマスクを「奪った」と、共同通信、時事通信など各メディアが報じている。
米、ドイツのマスク「強奪」か - タイの空港で20万枚https://t.co/CaIod3vwpC
— 共同通信公式 (@kyodo_official) April 4, 2020
新型コロナウイルスの感染者や死者が欧米を中心に急増する中、病院関係者らが使用する医療用の高機能マスクをめぐる国際的な争奪戦が起きています。 https://t.co/u2TrLsqhFy
— 時事ドットコム(時事通信ニュース) (@jijicom) April 5, 2020
熾烈なマスク争奪戦
イタリアは中国から輸送中のマスク83万枚を、スイスは中国から輸送中の24万枚をドイツに押収された。しかしこのドイツは、ベルリン警察が発注した20万枚のマスクが経由地であるタイ・バンコクの空港で奪われたという。ベルリン市はアメリカが関与したと主張し「現代の海賊行為だ」と批難。アメリカがマスクを持ち去り、バンコクからアメリカに運んだと報じられている。フランスでも中国に発注していたマスクが発送直前に、空港で外国人業者に買い取られていた。フランス東部の自治体責任者は「空港でアメリカ人が、われわれの3、4倍の値段を現金で払い、持ち去った」と証言している。アメリカは、他国向けマスクの横取り行為を否定しているが、国土安全保障省当局者は「十分な数を確保できるまで購入を続ける」としているという。
トランプ氏「他国の人に渡したくない」
アメリカ政府はマスクや手袋、防護服などの買い占めや価格つり上げを防ぐため、不当な輸出停止を命じた。時事通信によると、カナダや南アメリカ向けの輸出中止を求めたことについて、カナダのトルドー首相は「重要な物資やサービスの往来を止めるのは間違っている」と反発しているが、トランプ氏は「われわれにはマスクが必要だ。他(国)の人々に渡したくない」と述べた。