新型コロナ対策のテレワークや外出自粛により自宅で過ごす時間が圧倒的に増加している中、イライラを募らせる「男性」が多いようです。彼らは一体何にストレスを感じているのでしょうか。今回の無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』では著者の真井花さんが、世の男性が何をプレッシャーと受け取っているかを解説するとともに、そこから脱却するヒントを紹介しています。
モヤモヤと期待
さて、本日は新型コロナ下でのモヤモヤのお話。
在宅時間が長くなってみんなストレスが溜まっていますよね!
- 家は片づかないし
- 子どもは運動不足だし
- 授業の遅れがどうなるのか分からないし
- 在宅勤務がいつまでかも分からないし
…過去にないことなので、誰も経験していないわけですから経験も役に立たないですから。
そんな中、男性たちもいろいろストレスを抱えているようです。曰く
- 手洗しろ除菌しろとうるさい
- 家事の分担が増えた
- 子どもの面倒を見ながらだと仕事が進まない
- 飲みに行けない
などなど。ま、こー言っちゃナンですが、そのストレスの大半ってこれまで女性が抱えてきたもののように思えるんですけどねえ。ヒソヒソ。
この中でも特に大きいのが
- 妻からの期待
だそうです。家庭にいる以上、家事や育児を分担してもらえるだろうという妻の期待(?)がプレッシャーとなっていると。
うん、でも、そりゃそーですよねえ。長時間労働のために在社時間が長すぎることが分担できない理由のひとつだったんだから、ずっと家にいる以上その理由は完全に消滅するはずですから。女性側とすれば、当然やってもらえるだろうと思いますよね。
もちろんコレは男性もわかっていて、期待される役割をなんとかこなそうとするんでしょう。ところが
- なかなか上手く出来ない
ので、これが更なるストレスを生んでいるようです。
小さな子どもがいる家庭はもちろん、そうでなくても家事と融解した状態での仕事は、それほどはかどらないものです。が、そういう状態で仕事をしてきた男性は少ないので、初めて遭遇する昨今の状況にストレスを感じてしまうんでしょう。
男性は、有能さで他者と競争するところがあるので、上手く出来ないことによって自分の有能さに傷がつくように感じるんだと思います。
在宅勤務やオンライン会議に慣れていない状況で、さらに付加される家事や育児のタスク。で、予定通りに上手く行かない。
ここで男性たちに対して思うのは、その出来ない辛さを
- 率直に吐露してほしい
ということです。たとえば
- 仕事が進まなかった
- 子どもの勉強を見てやれなかった
- 食事の後片付けがイマイチだった
- 洗濯物の扱いに失敗した
- 市役所への申請書に間違いがあった
などなど。こういう、つまんないことが日常生活のストレスです。このストレスが積もっていくんですよね。
でも、こういうことがあること自体は、それほどマズくないんです。ここで一番マズいのは
- 問題がないフリをすること
です。男性は「問題があること」を認めるのがとても苦手なんだなと思います。いや、結婚して身近にまじまじと男性を見ていて、あるいは仕事でたくさんの方にお会いして話を聴くにつけても「問題があること」を認めるのが苦手だなと感じます。おそらく
- 問題がある=自分で解決出来ない=無能
という図式になっているからなんだろうなと思います。
男性は有能であることを社会的に求められていますし、それを他のオスと競争して一生過ごすので、自分の無能を認めるのは
- 敗北(=自己評価の消滅)
を意味してしまうのです。ガラスのプライドと言われる所以でしょうね。
男性には、自分自身のストレス管理の点からも、この価値観から少しずつ脱却していってほしいのです。生き方として苦しすぎるからね。出来ないことがあるのは当然だし、そこと上手く付き合って行く方が柔軟で生きやすいですから。
翻って、女性には、男性が辛さを吐露した場合に
- ほーら、私の気持ちが分かったでしょ♪と言わないこと
だろうと思います。
…ま、言いたくなる気持ちは分かるんだけどさ。家事や育児の大変さをどれほど訴えても、分かってくれない男性はいるからね。
でも、相手がストレスを感じていたり失敗したときに、自分の行為の正しさを誇示する必要はないと思うんですよ。やるんだとしてもそれは後でいいじゃない。
まずは、正しさより共感でしょう。それは女性が最も求めていたものであるはずで、共感してもらったときの嬉しさはとてもよく想像できると思うんです。
かつてない状況の家庭内。誰もがそれなりのストレスを抱えているんです。弱さを晒すのもそれを責めないのも、強さですよ。
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