経済活動が再開したとは言え、「コロナ以前」の水準には程遠いとの声が、中小企業やショップ経営者などから多く聞かれます。そんな状況を打破するためにはどんな手を打つべきなのでしょうか。今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』では経営コンサルタントの梅本泰則さんが、「外商」を例に取り、これまでとは違う商品の売り方と新しい顧客の開拓方法を紹介しています。
コロナ後の外商の生き残り策
いよいよ緊急事態宣言も解除され、経済活動が回り始めました。学校でも部活が始まり、スポーツショップでも商売が動きつつあります。「外商」も忙しくなっていくことでしょう。そこで、今回は久しぶりに外商の話です。
外商のための新しい手
スポーツショップの売上の柱の一つに「外商」があります。「外商」のメインのお客様は「学校」です。体育の授業に使うトレーニングウエアやシューズを納めたり、部活用のスポーツ用品を販売したりします。しかし、少子化の影響で、肝心の「学校」の数や生徒の数が減っていってしまっていることが問題です。
当メルマガでも、今まで6回ほど「外商」をテーマに取り上げてきました。その記事の中では、今後「外商」はどんな手を打ったらいいかということを提案しています。少しそこからピックアップしてみましょう。
- 学校の先生に向けて外商の展示会を開く(第288号)
- 外商活動をブログにあげてお客様とつながる(第313号)
- 外商のお客様にニュースレターを送る(第342号)
- 実際のお客様である生徒や選手のリストを集める(第367号)
- 新規客のグループ分けをして商談進行表を使う(第412号)
- 外商先の先生にスポーツの「知識」を提供する(第455号)
おおまかにいえば、こんな外商の「手」を提案してきました。これらの対策を実施しているお店もあるかもしれませんね。これはこれで、一定の効果を生む方法です。しかし、世の中はコロナ禍で、大きく変化しようとしています。上にあげた対策だけでは、「外商」が生き残るのはむつかしいかもしれません。では、何か新しい手はあるのでしょうか。
そこで、私なりに考えてみました。それには二つの大きな方法があります。一つは、今までとは違った商品やサービスを提供することです。もう一つは、今までとは違ったお客様を開拓することです。
今までとは違う商品
具体的に説明します。一つ目の「今までとは違った商品やサービスを提供する」とは、次のようなことです。
外商活動においては、「スポーツ用品」を売ることが中心になります。どのお店でもそうでしょう。そこで、その戦法を少し変えてみます。つまり、スポーツ用品以外のものを学校に販売することは出来ないか、ということです。
いえ、スポーツに関係ないものを売るということではありません。あくまで、販売するのはスポーツ関連のものです。例えば、「スポーツ講座」の開催を企画するというのはどうでしょう。学校で部活の学生さんを集めて、役に立つ講座を開催します。講座のテーマは、
- スポーツ用品の上手な修理、お手入れ法
- 知っておきたいスポーツ用品の機能
- 専門家によるメンタルトレーニングの方法
- アプリを使った体調管理法
- 上級選手による練習法や試合への向き合い方
といったような内容です。また、「部活教師用指導プログラム」の開催ということも考えられます。部活を指導する教師の方たちは、必ずしも担当のスポーツに詳しいわけではありません。しかも、忙しいです。スポーツ協会などが実施している指導者講習会に参加する時間はないでしょう。そこで、お店が独自にプログラムを作って学校の中で講習をします。内容は、例えば
- スポーツ経験の浅い教師でも出来るスポーツ指導法
- 生徒を元気にするコーチング技術
- けがを予防するトレーニング法
- 体力を向上させるトレーニング法
- 生徒やチームの能力が向上する分析ツールの使い方
といったものであれば、喜ばれるのではないでしょうか。もちろん、これらの内容は、生徒や教師の要望を聞いて決めていきます。これが、「今までとは違った商品やサービスを提供する」ということです。
スポーツ用品だけの販売に頼っていると、他のお店との価格競争になってしまうこともあります。そうした事態をさけるためにも、商品以外のものを企画提案することで、お店の信頼が大きくなっていくのではないでしょうか。