感染拡大が止まらない新型コロナウイルスですが、人間だけに限らず、ペットにも感染リスクはあります。メルマガ『佐藤貴紀のわんにゃんアドバイス』の著者で獣医師の佐藤先生は、猫同士の感染が発生していることや、飼い主から猫へ感染する可能性などの事例をあげながら、猫が新型コロナに感染していないかどうかを見極めるポイントをアドバイスしてくれています。
新型コロナウイルスに猫が感染したら?
現在のところ「猫が新型コロナウイルスに感染しても人間には感染しない」と報告されています。しかし、「猫同士」では感染することが既に報告されているのをご存知でしょうか。猫を多頭飼育しているご家庭は、特に注意が必要です。その上で、猫が新型コロナウイルスに感染した時の症状や感染予防の対策を知っておく必要があります。
今回は「猫の新型コロナウイルス 」ついてご説明していきます。
1)「猫の新型コロナウイルス の病状」とは?
猫が新型コロナウイルス になった場合、人間同様、その多くは「呼吸器症状」があったという報告があります。この他、「消化器症状」もあったとの報告もありました。下記の項目が目安です。
◎呼吸症状
- 咳(ゴホッという、いつもとは違う咳は特に注意です)
- くしゃみ
- 鼻水
- 息が荒い(口を開けて息をしていたら注意です)
- 鼻孔が動く
- 流涎(よだれ)
◎消化器症状
- 下痢
- 嘔吐
猫は具合が悪くなると、飼い主の見えにくいところに隠れてしまうため、病気が重篤にならないとわからないことも多いですし、元々くしゃみが多い動物でもありますので見分けにくいと思います。
1つの目安としては「胸が激しく動いていないか」を見てください。健康な子だったら、たとえ鼻水やくしゃみをしても、胸の辺りはあまり動きませんので見分ける際の参考にしてください。
2)感染予防の対策とは?
現在、世界的に見ても「新型コロナウイルス」が猫から人へ感染した事例は報告されていません。
まずは「飼い主さんが感染しない」こと。
今まで報告がある猫の場合、ほとんどが飼い主さんがウイルスに感染しています。よって、飼い主さんが感染しないという事が絶対条件になります。
さらに、猫に対して注意するのであれば、下記の項目を守ってください。
◎猫の感染予防案
- 飼い主さんが猫に接触する前後は必ず消毒をする(手洗い、アルコール)
※ただし、アルコール消毒の際は完全に手が乾いてから猫に接してください。動物にとってアルコール(エタノール)は危険ですので、アルコールをよく飛ばしてください。または、ペット用のものをご使用ください。 - 飼い主さんが咳をしている場合などは、マスクをして猫と接すること
★まとめ
最近はネットの普及で、いろいろな新型コロナウイルスの情報が出ていますが、それを信用せずに、獣医師会やアニコム保険などの情報を参考にして下さい。
アニコム保険は、飼い主さんが感染したときに犬や猫を預かるサービスも行っています。そこで預かった子が感染していた報告もあり、知識があると思います。
あとは、新型コロナウイルスが感染拡大しないように、飼い主さんは、猫のためにも責任ある行動をして頂き「絶対に感染しない」ようにして頂きたいと思います。
1日も早く新型コロナウイルスが終息することを祈っています。
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