なぜ、ビートルズはライブの収益より「レコードの売上」を重視したのか?

Syracuse New York 10 01 2018 The Beatles StageSyracuse New York 10 01 2018 The Beatles Stage
 

20世紀を代表するロックバンド、ザ・ビートルズが初めて作ったものは多々あることはご存じだと思いますが、その中でも特筆すべきものは「音楽ビジネス」の原型だということを知っていましたか? 元国税調査官の大村大次郎さんが、お金の流れからビートルズの成功を読み解いた一冊をメルマガ『1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』』の中で紹介しています。  

【一日一冊】お金の流れで読み解くビートルズの栄光と挫折

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お金の流れで読み解くビートルズの栄光と挫折

大村大次郎 著/秀和システム

ビートルズが現代の音楽ビジネスの常識である、ファンクラブやミュージック・ビデオなどをはじめたと聞いて手にした一冊です。

1960年代の音楽業界ではロックバンドの成功例はほとんどなく、ソロ歌手として売り出すのが常識でした。しかし、ビートルズは4人組のバンドとして売り出されたのです。

これはビートルズのマネジャーとなったブライアン・エプスタインに先見の明があったということなのでしょう。無名のバンドと契約し、レコード会社に売り込みをかけてくれたのです。

メジャーデビューにあたり、それまでリーゼントの不良ロックバンドだったビートルズを、マッシュルームカットの礼儀正しいアイドルバンドに生まれ変わらせたのもエプスタインと言われているのです。

ビートルズがはじめておこなったもの…ミュージック・ビデオ、ファンクラブ、世界ツアー(p61)

また、エプスタインがレコード店のオーナーであったことも影響したと思われますが、ビートルズはアルバムの売上を柱としたビジネスモデルを展開します。

このレコード中心戦略は、作詞・作曲も行っているビートルズの印税収入が、作詞作曲しないミュージシャンの3倍であったことも有利に働きます。

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